のこぎりガイドジグを使って、時短と完成度アップを
のこぎりガイドジグを使って、時短と完成度アップを
①② 戦略 技術の授業の哲学や世界観
① 組立補助のクランプジグを作ったのに、切断補助(のこぎり用)ジグを作らなかった理由
技術の授業に対する考え(哲学、世界観)として、技術の授業では、技(わざ)を教える(その大切さや難しさを体験する)教科であると、私は考えているからです。
- 組立時のコツは、げんのうの使い方である。組立時に二人一組になると作業速度が落ちるので、組立の補助ジグで、短時間に作業精度を上げたい。
- のこぎりの使い方(技、コツ)は、センサとしての五感を使い、手首や腕(アクチュエータ)のこまかな制御をすることである。ジグを使えば、そのことを経験できず、技の奥深さや大切さを知る体験もできない。
- 両刃ののこぎりのあさりの問題(ジグの設計の難しさ)。木材加工の授業の流れ上、木材には繊維方向があり、それに対応した道具として、両刃のこぎりを教え、使わせたい。
この3点の関係で、のこぎりガイドジグを作る発想に至らず、作ってこなかった。
② ゲームチェンジの予感
今回の授業転換の決断は2025年夏だが、2026年に、アメリカ軍とアンソロピック社の人工知能についてのやり取りで、人工知能の相当な進化を多くの人は、目の当たりにする。
授業研究は、日々必要に迫られる教師の課題発見・問題解決学習の実践の連続である。
昨年夏、自由設計に重きを置く先生の話を聞いた。彼は実習で、ケガキとのこぎりガイドを両方する大がかりな装置を使い、釘打ちをやめ接着だけでの組立をさせていた。
課題発見・問題解決や探究学習の授業を充実させるには、今までの考え方を変え、実習時間のさらなる効率化が必要と、私の中でも結論に至る(課題発見)。
アメリカの雇用環境の変化として人工知能の新人殺しも話題になっていたので、作業より創造活動重視の授業の必要性を直感していたので、考え方を柔軟に変えることにした。
③④ 戦術 教師自身の課題発見・問題解決を通した探究学習の実践
③ 一時が万事(行動と考えは相互に関係している)
道具(人工知能、のこぎりガイドジグ)を使って作業効率を上げる。これから、人(教育)は、作業より創造に軸足を置くべきである(したくなくても、そうせざるおえなくなる)、と分析した。授業(実習)や時代の流れに最適解なジグの要素を考えた。
- 両刃のこぎりにこだわらず、運用上も保守点検も楽なゼットソーを使う方ことにする。
- 3Dプリンタの長所は、安価で手軽に(個人が作る上で)大量生産できる点である。だから、切断の寸法取りまで簡単にできる完全な切断補助ジグより、単純な構造の方が相性が良い。
- 単純で安価なら、壊れる前提で、予備もふくめ多めに用意できる。その方が、トラブルが発生した時に、実習を止めたり、放課後の修理の手間がなく、教師の負担が少ない。
- のこぎりは刃物だから、ジグか刃のどちらかが痛むはず。それなら、刃物を守るためにジグを消耗する方が安上がりである。
④ ジグの設計は、私の課題発見・問題解決の探究学習でもある
先で述べた最適解にあわせて、今回ののこぎりガイドジグの具体的な要求を決めた。
- 安価の割に高性能なジグにする。付加価値をいかにつけるのかを探求する。
- 技(わざ、テクニック)を多少必要とすることで、単純な構造の割に高性能にする。技を学ぶ機会も担保できるので一石二鳥である。
- 具体的にジグの上部を工夫した。目視でのこぎりをまっすぐ切れるようにする。ここが、私のジグの最大の特徴である。現状の人工知能も人のプロンプト(質問)によって、回答性能が変わるのと同じように、セミオートの要素を取り入れた。
- 実習では二度作りをするので、ジグも最適な形を2つ用意する。一回目は一辺20mmの角材なので角材専用のジグと、汎用性の高いジグの2種類である。これは3Dプリンタの利点である個別大量生産(柔軟な大量生産が可能)の活用になる。
- 片刃なのであさりの干渉がほぼ無く、ジグがひずまないように強度のある形にする。
⑤⑥ 戦技 実習を便利に、完成度が上がるジグの活用
⑤ 物作り体験を通して、人工知能が作り変える近未来の社会を疑似体験
人工知能と3Dプリンタの特徴は、個別最適解(個別大量生産)ができ、使う人の負担の低減(プロとアマの境界線をなくす)できることである。木工の実習で3Dプリンタの活用を通して、これらの技術革新の特徴(人工知能とよく似た威力)を疑似体験してもらう。
自分に知識や技量がなくても、上手に作れる点は、ジグと人工知能の共通点である。
使う人は賢くならないが、作った人(私)はのこぎりの経験を創造活動に使い経験を積み、より賢くなる。人工知能も作る人は賢いが、使う人が賢くならない可能性がある。このことを木工実習で疑似体験してもらう。
このジグの制作から製作(大量生産)や、実習での活用の経験が、私の探究学習の経験値を上げてくれる。直接生徒は、探究学習の経験値をあげられないが、私を見ることで、探究学習を疑似学習できる。見たこと知ったことは、今後自分ができるようになる(なる可能性が非常に高くなる)。
⑥ のこぎりガイドジグの活用
3Dプリンタ製のジグ(治具)で、既存の木工実習の時短と完成度を高めます。
期待される効果
- 時短と完成度の向上。
- 身近な3Dプリンタの活用体験。
- 「無いなら作れ」という技術の根幹を疑似体験。
- 「物差しは、与えられるものではなく、作るもの」という技術や学びの核心をも体験。人工知能が浸透するこれからの授業や学びにおいて、重要な要素です。
- ユニバーサルデザインの体験。
教具の活用状況
のこぎりガイドジグは、ゼットソーの利用前提なので、ノコ身の板厚とジグが合うように設計されています。ジグに頼りきって切るのでなく、目視で正しく切れているかの確認し、自らも微調整をしながらのこびきをします。
- のこぎり→ジグの上部の突起→のこぎりの柄→へそ(体幹)が、一直線に。ジグ上部の屋根部分が左右同じ形状に見えているかでも確認可能。
- ジグの上部と下部ののこぎりとのこぎりのすえの部分(点)が、垂直な三角形の面になるようにする。もし、1と2ができていなかったら、曲がる可能性があります。

ジグの底面とのこぎりの刃を合わせて、けがいた板の線(線の左右の端どちらか)の上に置くだけで、筋力ではなく、刃の切れ味で切っていけます。バランスにのみ注力すれば良いです。生徒作品の出来が大きく変わりました。多くの生徒が、より直角に切断できました。技術教師の私でもジグ有りの効果は大きいくらいです。これが、ユニバーサルデザインの効果だと、実感しました。
立体パズル製作時には、20mm角材に最適化したジグを使いましたが、その後の本棚の実習では、汎用性の高い標準的なジグを使いました。(ひっかけの位置が違う)
標準型では、奥行50mmまで対応しています。それより長い場合は、ジグに挟まれないのこ身が曲がらないよう(2.の内容)に、体の位置を注意するだけで、まっすぐきれいに切れます。
立体パズル(ソーマキューブ、Soma cube、Polycube Puzzle)の製作という限定的な条件では、専用のけがきジグと、のこぎりガイドジグで、一気に生徒の作品の完成度と製作時間の時短ができました。
ただし、このために、さしがねの練習は、この実習ではできませんでした。これは、学校での人工知能の活用に潜む落とし穴と同じ構造です。
⑦ リンク ジグのダウンロードと、参考資料のリンク
標準型
- 右
- 左
立体パズル(20mm角材)型
- 右
- 左
おまけ
- 立体パズル専用けがきジグ
ダウンロード puzzle(zipファイル)
教具の基本情報
AI時代の技術のオモシロ教材集:一般社団法人ギジュツドットコム出版の書籍
P148〜149参照
クランプジグの入手先
3Dプリンタ製のクランクジグで木材加工の実習を手軽にアップグレード
教材としての使用法
導入は簡単です。今されている木材加工の実習で、使えば良いのです。
3Dプリンタ導入の参考
3Dプリンタの運用が初めての先生には、3Dプリンタの構造や運用やトラブル対策について、ほぼ365日、ほぼ24時間運用をした経験で得た知見を書いています。
投稿者:京谷充訓(奈良県)
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