3Dプリンタ製のクランクジグで木材加工の実習を手軽にアップグレード

①クランプジグの使い方
まずは、データをダウンロードしてください。
clamp(STLファイル及び説明)

このクランプジグは、誰でも手軽に使える事を課題解決の初発にして作りました。
だから、3Dプリンタが学校か自宅にあれば、簡単に作れ、授業の雰囲気や質を簡単に変えられます。

 授業での運用における留意点。
・二人一組の組立作業が、一人で組立ができ、ズレずに、時短できる。
・本棚の場合、1人3個が目安。
40人学級の場合、90個あれば、運用可能です。3個使うのは、最初だけで、作業開始時期に個人差あるからです。
・実習中は、3Dプリンタでのジグの生産を実演しながらできると良い。
新旧の物作り(切削加工の有無や、手作りか無人かなど)を具体的に比較させるためです。
・ジグの出力の設定は、PLAで、充填率は15%を想定しています。
・木工接着剤(木工ボンド)と見分けをつけるために、ジグの色は白色以外にする。
・安価にそろえるのが、3Dプリンタの利点でですが、使用中に多少消耗することは想定して下さい。だから、少し多めに、上と下部品を作っておくと良い。
・上部品の引っかけの足が折れたら、強度補強用の穴に、たこ糸でくくると、上部品の再利用は可能です。
・鉄のネジと、プラスチックのジグの本体は、素材が違うので、手加減をしてネジを使うことを、生徒に徹底させる。
・3Dプリンタのフィラメントが原材料費で購入できたら、学校の予算で購入しやすくなると考えています。

②このジグについてもっと知りたい人へ
私の場合、3Dプリンタに興味を持って、買うまで時間がかかりましたし、購入したらしたで、トラブル&エラーの連続でした。
だから、3Dプリンタについての執筆依頼が東京書籍さんからあったとき、3Dプリンタについて長文ですが細かく書きました。これは、東書Eネットで閲覧できます。誰でも気軽に見られるように交渉し、だれでも見られます。
3Dプリンタ導入時の道しるべ、失敗から得た経験談
次に、開隆堂さんの指導書は、木材加工の実習で使う3Dクランプジグと、3Dプリンタの可能性に焦点を当てて書いています。これも、開隆堂の教科書の学校の先生は見られないので、誰でも見られるように交渉し,誰でも見られます。
自作クランプ治具(ジグ)を使った授業実践例
この二つ執筆と、当時務めていた月ヶ瀬小中学校のWEBページの3つが相互連携することで、より充実した内容になるように考えてあります。
月ヶ瀬小中学校の関連するリンク先はこちら
・月ヶ瀬小中学校→GIGAスクール その他 →3Ⅾプリンタ関連
3Dプリンタ 授業や学校教育での実践

学校のWEBページは、生徒の肖像権の扱いがしやすいので、良いのですが、転勤すると、自由に編集できません。そこで、新たにWEBページを作りました。
とある中学校のSTEAM教育(技術)
WEBページを見てもらうと、ここ最近の私は、3Dプリンタより、STEAM教育に軸足が確実に移っています。その理由は、3Dプリンタを通して色々な事を実体験できたことが、大きかったからです。

③技術革新を体験するから、感じていること
このクランプジグを作ったことで、多くの方から好意的に評価していただきました。WEBページやイベントを通して3Dプリンタの活用の発信によって、今までに無い、つながりや交流ができました。
授業における3Dプリンタの活用実践というニッチな内容なので、一般人や普通の先生に刺さら無くても、コアな先生に刺されば良いと考えて細々としてきました。その真価のわかるコアな先生が使われることで、いずれ広く普及していくと考えています。

学校現場での3Dプリンタの普及は道半ばです。しかし、Maker Faireなどのイベントに参加し続けて、出展者(メーカー、作り手)にとって、3Dプリンタは必須の道具になっていると痛感します。3Dプリンタを使うのことが目的ではなく、当たり前の手段になっているのです。その意味では、中学校の技術教育の根底(道具など)が、個人のDIY的な視点で無く、どことなく町工場的で職業訓練の授業を引きずっており、遅れているように感じます。

3Dプリンタという新しい道具を活用を試行錯誤することで、私は、新しい教育観の本質も会得できました。
私自身、一斉授業の詰め込み教育を受けてきた者なので、STEAM教育とか、課題発見・問題解決学習とか、対話形式(ポスターセッション形式)などの新しい学習の神髄をいまひとつ理解できていませんでした。模索する中で、ある日の授業で、その新しい学習の神髄も会得もできました。その授業は、一斉授業では普段使っていない脳の部分が活性化され、本当に楽しかったです。
空間図形(数学)の製図をタブレットPCを活用して発表 技術【8年】R1
私は、運良く、3Dプリンタを通して、このような体験をさせてもらいました。だから、それを体験し知る以前の私が今のこの記事を読むみなさんだと思うので、②と③の章もしっかり書かせてもらいました。

④まとめ
大切なのは、クランプジグという道具を使うことではなく、道具の活用を通して、技術革新と、これからの社会変化をより身近に感じることだと思っています。
・木材加工の実習をする時に、生徒の手作業と3Dプリンタの出力を比較させるために、教卓に3Dプリンタを動かしながら授業(実習)をするべきだと思っています。
・さらに、3DCAD(例:Tinkercad)の実習もできたら、なお良いと思います。
開隆堂の教科書の指導書の内容を、3Dクランプジグの実習の前に読んでもらうと、完璧だと思います。
3Dプリンタを通して、今後おこるであろう技術革新(人工知能も含む)による生活様式の一変を、一足速く体感してもらえたら、光栄です。


京谷充訓(奈良県)

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