俺は楽器になる!Appleの壁を越えた奇策と弁当箱
【PR記事】AkaDako物語 第4回 ※第3回はこちら
俺は楽器になる!Appleの壁を越えた奇策と弁当箱
文:高松基広
イラスト:青空とんぼ
「天板拡張くん」の奇跡的大ヒットにより、AkaDakoプロジェクトを継続する資金は確保できました。けれど、喜んでばかりはいられませんでした。僕らの目の前には依然として、エベレストのように高く険しい「Appleの壁」と、世界的な「半導体不足」が立ちはだかっていました。
■ダイソーのお弁当箱で模索し続けた「理想の形」
初代AkaDakoに対して、小学校の先生方からいただいた、
「配線どこに挿すか、絶対迷いますよ」
「40人に正しく配線させるだけで授業時間が終わります」
「センサーがバラバラだと、絶対なくします」
という手厳しいダメ出し。僕にとって先生方の配線の負担問題は、iPadの有線接続問題と同じくらい重い課題でした。
(本体にセンサーを片っ端から内蔵したやつを作ろうぜ!)
(今の半導体価格でそんなことやってみろ、いったいいくらになるんだよ💢)
(じゃぁ、最小限のセンサーの組み合わせを模索するための基板を何パターンか作ってだな…)
(基板設計とテスト、どんだけ時間とコストかかると思っているんだー👊)
(うーむ……)
僕の胸の中で、果てしない対話が、延々と続きました。
そしてある日、僕は意を決しました。
「森田くん、いくら高くてもいいから100個分のチップを買ってAkaDakoを作ってくれ」
開発部長の森田くんは、びっくりした顔で聞き返しました。
「えっ? どうするんですか?」
僕は答えました。
「半導体不足は、いつか終わる。でも、その日を待っていたら、次のAkaDakoはいつになるかわからない。そこで、これを作って、次のAkaDakoに向けた実践研究を行いたいんだ」

それは、ダイソーの100円のお弁当箱を使い、初代AkaDakoを配線済みにした手作り感満載のプロトタイプでした。
見た目だけを言えば、決してかっこよくはありません。
でも、「これなら毎回基板設計をやり直さなくても、パネルさえ交換すれば、授業にあわせたセンサーの組み合わせの模索を短期間で回せる」と考えたのです。
◯まさに手弁当で全国を奔走
ここからは、この100個のお弁当箱を担いで
● 力のある先生に片っ端からコンタクトを取り、触っていただいて意見を聞く
● 研修の機会があれば、全国どこへでも行って先生方の声を集める
● 押しかけ女房のように出前授業をさせてもらって子どもたちの反応を観察
● 先生方に実際に授業を行ってもらってフィードバックをいただくを繰り返しながら
デザイン(設計)→実践→評価→改善
を現場でガンガン回していきます。
もちろん売上は0円💦
最終的には、数百人の先生方+千人以上の子どもたちにご協力をいただきました。おそらく、この記事を読まれている先生方の中に、僕から声をかけられた先生も多くいらっしゃると思います。
その節は、ご協力ありがとうございました🙇🙇🙇
くわしくはこちら。
■Appleの高い壁を超えた奇策とは
さて、最大の問題であるiPadの有線接続。Appleの公式ライセンス(MFi認証)の取得が絶望的だと分かった時、開発チームには重苦しい空気が流れていました。
そんな中、iPadアプリ担当の大庭さん(Scrub開発者)がポツリと言いました。
「….音楽で使うMIDIを参考にすれば、行けるんじゃないですかね?」
その瞬間、空気が変わりました。
MIDIは、約40年前に日本の電子楽器メーカーが主導して作った世界共通規格です。
そして音楽シーンでも人気があるiPadの有線通信では、MIDIの利用が許可されていました。
正々堂々有線でやりとりできる、いわば「顔パス」です。
「MIDIには、音符とは別に、独自データを流せる領域(SysEx)がある。そこにセンサーの値を流せばいいのでは?」
というのが、大庭さんの発想でした。
なんと大庭さん。次のミーティングのときには、ボードを自作し、iPadとの双方向通信に成功していたんです。
Zoom越しに、一同
「すげー!!!」
となりました。
大庭さんのひらめきは、まさに「Appleの高い壁を顔パスで超えた」瞬間でした。
ここからの展開はメッチャ早かったです。
あっという間に、森田くんがファームウェアに実装し、横川さんがScratch拡張を改造し、大庭さんがScrubに手を入れ、なんと1ヶ月も経たないうちにMIDI応用版が完成してしまったのです。
僕の夢を理解し、一緒に目指してくれた優秀なメンバーには感謝しかありません。
■三方よしの「S-LINK構想」へ
このMIDIを応用した通信方式を、僕らは「S-LINK」と名付けました。

かつて日本の電子楽器メーカーが自社の利益を越えてMIDIを世界標準にしたように、僕もこの技術を独り占めするつもりはありません。
今年1月、MIDIを管理しているアメリカの MIDI Association から正式にIDを取得することができました。
現在、この取得したIDを使った S-LINKライブラリーのオープンソース化を進めています。
教材メーカー各社がこのライブラリーを使った製品を作ると
● メーカー:開発コストを下げ、GIGA端末3OSで安定した通信・給電を実現できる。
● 研修現場:GIGA端末のOSやデバイスに縛られない統一研修が行える。
● 先生:授業内容にあわせて、ソフトとハードを自由に組み合わせられる。
「作ってよし、触ってよし、使ってよし」という、教育DXを支える三方よしのエコシステムが成立すると思いませんか?
次の指導要領では、日本が世界から取り残されないためにも、情報分野はさらなる充実が求められると言われています。
「このS-LINKが、先生方の負担を軽減し、すべての子どもたちに学びを届ける助けになったら…」
って、メッチャ夢ありません?
実は、この春。
僕のこの途方もない夢に賛同してくださったキングエースさん、山崎教育システムさん、優良教材さんから、S-LINK対応のAkaDakoファミリーが発売されました!!
各社の製品の裏側を見てみてください。
「S-LINK」のロゴが輝いているはずです!
■最後のピース
こうして、Appleの壁を超え、半導体不足が落ち着いた2023年3月。2代目のAkaDako「探究ツール」を無事発売することができました!
でもですね、まだこのAkaDako物語は終わらないんです…
僕は若いころ「いいものさえ作れば売れる」と勘違いをし、勤めていたメーカーをドロップアウトして、さんざん苦労してきました💦
全国に「えー!もっとやりたーい!」の声を響かせるためには、技術的にいいものを作っただけじゃーダメなんですよねー
そう、先生方が「これなら出来る!」「これで、授業してみたい!」と思う仕掛けが必要なんです。
次回、最終回、最後のピース「おめーの言っていること、わかんねーんだよ💢」と罵倒されて生まれた仕掛けのイノベーションについてお話をしたいと思います。
【筆者プロフィール】
株式会社ティーファブワークス 代表取締役 高松基広
連載:子供の科学「AkaDakoものづくりラボ」(誠文堂新光社)
編集協力:
中学校教科書「新しい技術・家庭」(東京書籍)
高校教科書「情報Ⅰ」(開隆堂)
著書:「micro:bitであそぼう!」(技術評論社)
発明・開発:天板拡張くん、ふきだしくん、AkaDako、他
Facebook : https://www.facebook.com/asondemita
※友達リクエスト大歓迎ですがメッセージを必ず添えてくださ~い!
【イラスト】
青空とんぼ https://x.com/Tombo_Aozora

【編集協力】
加藤 良子 https://www.instagram.com/nagako_kt/
西尾 琢郎 https://www.facebook.com/orukat24
【AkaDako】
公式サイト: https://akadako.com
教材集: https://699.jp
無料オンライン研修: https://699.jp/6 ※試供版Akadakoを事前にお届け
コミュニティ:https://www.facebook.com/groups/akadakoforeducation
AkaDakoニュースレター:https://akadako.com/newsletter/
お問い合せ:https://akadako.com/contact/
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