書籍紹介『木工革命2 デジタル木工の実践』
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| 「木材革命2 デジタル木工の実践 合板DL・モジュール木工によるテクノロジー教育」 大谷 忠・渡津光司 編著 山下晃功監修 B5判/206頁(フルカラー) 海青社 ※Amazonでのご購入はこちら |
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本書は,合板から作成した規格材「DL材(Dimension Lumber)」を活用し,3DCAD,AR(拡張現実),3Dプリンタなどの情報技術と木工を融合した新しいものづくり教育を紹介する実践的な指導書です。前作『木工革命』の続編でもあります。
中学校技術科の授業での展開について,構想・設計・試作・製作という一連のプロセスを通して,生徒が主体的に問題解決に取り組む授業づくりの方法を具体的に示しています。
2026年3月現在,次期学習指導要領の検討の中で,新教科「情報・技術科(仮称)」では,「情報技術やそれを基盤とした生産技術」を対象にしています。この方向性に,実際どんな授業を作ったらいいのかと悩まれる先生もおられるのではないかと。
そうした中で,情報を基盤とした生産技術の「材料と加工」の実践の一助になるのが本書です。
合板DL材を用い,組み合わせながら様々な製作品を作っていく木工=「モジュール木工」の基本的な話から,事例とともに,授業の各段階のポイントが豊富な図や写真によりわかりやすく解説されています。
授業の導入では,3DCAD(caDIY3D)を用いて自分の部屋をバーチャル空間に再現する活動から学習が始まります。自分の生活空間を題材にすることで,整理や収納,使いやすさなどの観点から「困りごと」を見つけやすくなります。そして,その困りごとを解決する家具を考え,3DCADで設計を行い,図面として出力します。生徒は設計データをもとにプロトタイプを製作し,改善を重ねながら最終的な作品を完成させていきます。
プロトタイピングの段階では,スチレンボードを使った模型製作や3Dプリンタによる部品製作なども取り入れ,設計→試作→改善というデザイン思考のプロセスを体験できるようになっています。こうした活動を通して,生徒は「つくる前に考える」「試して改善する」という技術的な思考を身に付けていきます。
製作活動では,ミニラックや椅子型飾り台など,授業で取り組みやすい製作例が具体的な手順とともに紹介されています。さらに,ベンチや大型収納ラック,長机などの実践例も掲載されており,学校や地域の環境に合わせて応用できるようになっています。接合や構造の強さに関する技術的な解説も含まれているため,材料と加工の技術の学習内容と結び付けながら授業を構成することができます。
また,本書には中学生による授業実践や作品事例も豊富に掲載されています。生徒がどのような困りごとを発見し,どのように設計を行い,どのような作品を完成させたのかが具体的に紹介されているため,授業のイメージを持ちながら読み進めることができます。授業で使えるアイデアノートや「caDIY3D for Education」の紹介,合板DL・モジュール木工キットの情報など,実際の授業準備に役立つ資料も充実し,すぐに実践が展開できるでしょう。途中のコラムや対談も面白いです。
技術科の授業づくりに新しい視点を取り入れたい先生,STEAM教育や探究的な学習をものづくりと結び付けたい先生,情報技術を活用した設計学習を授業に取り入れたい先生にとって,本書は大きなヒントとなる一冊ではないでしょうか。
前著「木工革命―合板・DLモジュール木工」はこちら
一般社団法人 合板DL普及協会
教育用3DCAD「caDIY3D」
私も学部授業で学生らに使わせていますが,各種規格材が既に登録されていることや,木取り図の自動作成,STL,GIFアニメファイル書き出しなどが簡単にできる点は,学生にも好評です。
投稿者:村松浩幸(信州大)
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