昔の計算具「ネピアの骨」で計算しよう(その1)~木材を使った「ネピアの骨」の作り方

「ネピア(あるいはネイピア)の骨」は、1617年刊行のJohn Napier『棒計算術』に記述があるといわれる、主に乗算を行うための計算具です。
日本のように九九を暗記しているならば乗算は容易ですが、そうでなければ乗算結果が書かれた表をみたり、こうした計算具を使う必要がありました。
図1はミュンヘンのドイツ博物館にある「ネピアの骨」(複製)です。
図1(2015.8撮影)

これを参考に、木材を使ったものを製作しました。

《材料》
15×15mm角の木材(1本の長さは150mm)5本分くらいは必要。
水性ニス(透明クリア)
油性細字ペン

《作り方》
(1)木材の一端15mm分を斜めに切る。4面すべて。(図2参照)
図2(a) 図2(b)

(2)木材の表面にニスを塗り乾かす。木地にそのまま文字を書くとにじむため。

(3)15mmずつの横線を入れ、横線間に斜線を入れる。斜線は右上から左下へ4面すべて書く。
図3

(4)九九の答えを書いていく。一面に1つの段を書く。答えが1桁の場合は斜線の下に、2桁の場合は10の位を斜線の上に、1の位を斜線の下に書く。
1本で4面書けるので、次のような組み合わせがよいと思われる。(同じ数字があらわれた場合のため)
(a)0・1・2・3 (b)4・5・6・7 (c)8・9・0・4 (d)1・2・5・8 (e)3・6・7・9
図4

(5)乗数をみるための棒をつくる。別にローマ数字にする必要はない。
図5

(6)完成。箱に入れると見栄えもよいし、使いやすい。
図6

《計算の仕方》
たとえば、 735×42 を計算する場合は、7・3・5の棒を並べる。4の欄の数字と2の欄の数字を書き出す。斜線にそって斜めに加算する。
繰り上げがあるときは、一つ上の欄に加算する。
図7
計算用の用紙とその使い方を ここ にPDFで用意しておきます。ダウンロードして使ってください。

荻野和俊(大阪工業大学)

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投稿者プロフィール

kawamata
つくば市の中学校で技術科教師をしています。
10年後を考えて実践の毎日です!

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