最終更新日 ( 2010/11/27 土曜日 )
ねらい
製作では側板の幅と長さ、本立て最下部に引出を配置することを基本的な条件とした上で、棚の位置や高さ奥行きなどと併せ、収納するものの形状や特 性などを踏まえて、自分なりの創意と工夫、特に使い勝手を重視して機能性に富んだ、収納スペースの活用を考えさせた。素材では個々人の素材加工が、自由設計の足かせとならないように、取り扱いが楽で加工性が高く、それでいて素材の融合が合理的で完成度が高まるように配慮した。
材料のサイズ
桐材→ 1930×150×t13 塩ビ→ 460×200×t2 (単位はmm)
製作加工図
<設計図をクリックすると拡大できます。右クリックすればファイル名を指定して保存も可能!>
ねらい 2
異なった素材に触れ、加工して素材の特性を知る。それぞれの素材の役割を考え適所に活用させる工夫。全体のバランスや使い勝手の配置など、自分なりの活用法を検討する。
家庭にある家具などの引出と、そのつくり方や木組みを比較させる。
題材のもてる可能性や発展性についても考える余地があることを知る。
成果
樹脂の中でとくに発泡塩ビ板を選んだ理由は、環境面での配慮が重く捉えられている今日、リサイクルで再活用させる取組や体制が、民業ではすでに確立されており、費用の捻出が可能なら、それらの諸問題は難なくクリヤできます。学習の要素としての接着加工技術は、特に重視される分野でした。ほとんどの成形では接着がその大部分を占め、その行程が欠かせぬ存在となります。接着材は揮発性が高く、毒性がなく取り扱いが優しく、即効性が求められます。頭で生まれた構想をいち早く実現させる能力は絶大です。
用いた塩ビ板は6色もの色数があり、特に加工性に優れかんなや鋸など、教室にある道具がそのまま活用できます。普通のカッターも可です。無職透明の塩ビ板よりその扱いが極めて簡便であり、あらゆる加工が手間暇かけずに即実行できます。鮮やかな発色がそうなのか、暖かみのある素材の手触りがそうなのか、とにかくこどもたちの食いつきが顕著です。木材と融合させると、それぞれの素材の良さがお互いに引き出されて、とても馴染みがよいのは大発見でした。
一度接着した樹脂でも再度、接着剤を入れると簡単に修復が可能なのは驚きました。
民業で得られた貴重なノウハウが、学校現場に還元されることは貴重なことだと思いました。近くて遠い存在ではなくてより身近な存在となるためにも、こどもたちには最新で最先端の技術を学ばせて、家庭に持ち帰りその成果をお披露目して、それらのはたらきがあってこそ、またあらたな発想の世界が拡がるように 期待しております。
投稿者 : 札幌市立青葉中学校 長岡秀孝
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