材料の強さ2 ~硬さ試験~
私たちは日常生活において「硬い」とか「柔らかい」といった言葉で材料の性質を示す場合が多くあります。しかし、よく考えてみると何を基準として「硬い」と「柔らかい」とを区別しているのでしょうか?
例えば多くの人は鉄と豆腐とでは、鉄の方が硬く、豆腐は柔らかいと答えるでしょう。それでは、鉄の中にも硬いものと柔らかいものがあると言われたらどう 答えるでしょうか。実は硬さにはしっかりとした物理的な定義はありません。しかし、だからといって硬さというものがこの世に存在しないというわけではありません。これまで、多くの人々が金属材料の硬さを測定する装置を考えてきました。大きく分けると、何か硬球のようなものを当てて、1.そのときの跳ね返った量を測定するものと、2.そのとき生じるくぼみの大きさを測定するもの、があります。
ここでは、代表的な硬さの測定装置を紹介します。
1 ショア硬さ試験機
ダイヤモンドを先端につけたハンマを一定の高さから試験片に落下させ、ハンマの跳ね返り高さを測定します。試験片に傷を付けることなく簡単に測定ができます。
2 ビッカース硬さ試験機
試験片に四角錐のダイヤモンド圧子を押込み、そのときできたくぼみの対角線の長さを顕微鏡で測定し、その断面積を求めます。
3 ロックウェル硬さ試験機
試験片に超硬合金球圧子を押し込み、このときのくぼみを測定します。
4 ブリネル硬さ試験機
同じく鋼球圧子を押込むものであり、くぼみが大きく正確な測定が行いやすい。
※2~4は試験片にくぼみが生じます。
投稿者:門田和雄 (東京工業大学工学部付属工業高校)
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