鋳造で機械部品をつくろう

加工法(機械工作法)のひとつとして「鋳造」をとらえたとき、是非「鋳造」で機械の部品をつくる学習を取り入れたいものです。中学校の技術科では、 鋳造を用いて機械の部品をつくろうとしても授業時数の関係で、なかなか思うように時間を確保しにくい面があります。ここでは、機械の「エネルギーの変換と 利用」について学習するなかで、外燃機関(スチームエンジン)の実験・実習とあわせて、機械の部品を鋳造・機械加工(旋盤・ボール盤)し、機械材料につい ても学習できるようにしました。

準備

  • アルミニウム(アルミ缶などを溶かす実験・実習などでできたものを活用できると良い)
  • 黄銅(棒材)
  • 軟鋼(棒材)
  • 鋳造用石膏
  • ガスバーナー
  • 旋盤
  • ボール盤
  • M3またはM4ナット
  • φ3またはφ4軟鋼棒
  • ベビーエレファント(大宮精工製)

thuki01.jpg (2732 バイト) 鋳造によって「ベビーエレファント(スチームエンジン)」の「フライホイール」と「ピストン」をつくります。「バランスウェイト」は形状が複雑なため、鋳 型づくりが難しいと思います。鋳造用石膏を用いて「フライホイール」と「ピストン」の鋳型をつくります。鋳型模型は現物の部品をそのまま使用します。

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鋳型に溶かした「アルミニウム」「鉛」を鋳込みます。

thuki04.jpg (4001 バイト) フライホイールにプロペラシャフトが通る穴をボール盤であけます。この穴は旋盤での機械仕上げをするときにシャフトを通してナットで固定し、旋盤のチャックにくわえさせるためにも使います。

thuki05.jpg (5342 バイト)  旋盤による機械仕上げ

thuki06.jpg (2483 バイト) 出来上がったフライホイールと鋳型、機械仕上げ前のフライホイール

thuki07.jpg (4671 バイト)
フライホイールは鉛、アルミニウムを材料にして鋳造します。黄銅(棒材)を旋盤で加工して製作し、それぞれの材料でできた部品を取り付けて比較し、機械材 料の学習にも発展させていくことができます。同様にピストンも、鉛、アルミニウムは鋳造と旋盤による機械仕上げで、黄銅、軟鋼は旋盤で加工してつくります。


投稿者 : 大木 利治(群馬県)

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