両刃のこぎりの切削の仕組みを体験しよう
両刃のこぎりの切削のしくみについては、開隆堂、東京書籍ともに小刀とのみを 例にあげ説明している。しかし、小刀はまだしも、のみは中学1年生にとって身近 な刃物ではない。もっと身近な刃物を使って説明できないだろうか?さらにその刃 物を使って実際に板を切断できればもっと面白い。
そこで思い付くのが彫刻刀!これならほとんどの生徒が小学校の図画工作で使用 したことがあるし、個人で所有している生徒も多い。彫刻刀の切り出しと平刀はま さにうってつけである。板は100×100×12程度の大きさで、桂材を使う。 (柔らかいものや割れやすいものはよくない。あとは美術の先生に板を押さえるた めの下敷きを借りておく。この3つがあれば実習室でなくとも作業できる。
まずは縦びき。切り出しを使って、木目にそって、切れ目を入れる。最初は刃が どんどん入っていくが、これだけではある程度のところで進まなくなる。(刃の厚 みが増えるため)(注)材料が柔らかいとこれで切れてしまうので、ある程度の 硬さが必要。 それでは最初から刃の幅が広い平刀ならどうか。これなら刃の幅の ままどんどん削れていく(刃の裏表と逆目に注意)。これを繰り返すうち板が切断 できる。
次に横びき。縦びきと同じように切り出しから。(定規を当てるとまっすぐにで きる)縦びきの時と同じ理由でだめ。ならば縦びきのとき成功した平刀でやってみ る。これももちろんだめ。そこで、切り出しにもどして、今度は先ほど切れ目を入 れた1~2ミリ横に、先ほどと逆方向から切れ目を入れる。(刃の向きに注意)す るとあら不思議、真ん中の部分が木屑となりどんどんとれてくる。これがひき溝と なり切断することができる。
投稿者:東京 新宿区立西戸山二中 渡辺 浩康
|