アルミはんこ
2012/07/21
理科室ではんこ作り
アルミニウムを希塩酸で溶かし、はんこを作ります。
丈夫な酸化膜の存在や反応速度と温度の関係など、色々と考えながら工作しましょう。
文字面は手書きなので、左のようなちょっと味のあるはんこが出来ます。
- アルミ平板を切って、はんこになる板を作ります。写真のものは約20mm×20mm。
- 木片に瞬間接着剤で貼り付けて作業しやすくします。紙ヤスリを机などの平面に固定して、それではんこ面を削ります。これはアルミの酸化膜(酸化アルミニウム)を取り除くのと、平面を作るためです。削り跡が全体に広がって平面が出たら、より細かい紙ヤスリで仕上げ削りをします。
- ペイントペンではんこ面に書きます。
- ガラス棒に希塩酸をつけて、アルミ板に移します。希塩酸が表面張力ではんこ面に山盛りになるようにします。ペイントで縁取りを書いてあると希塩酸が流れません。
- はじめは温度が低いので、不活発です。数十秒しても気泡が現れないなら、ライターの炎を上から当てて、液温を少し上げてやってもよいでしょう。温度が上がると反応が活発になり盛んに泡立ち、小さな霧が見えるようになります。
- 反応が激しくなり、液が黒ずみます。ティッシュで希塩酸を吸い取り、新しい希塩酸をガラス棒でつけ直します。希塩酸を吸い取った時には、ペイントの剥がれをチェックします。もし剥がれていたら、希塩酸を完全に吸い取ってペイントを上書きします。
- 見た目で掘れて来たと感じたら、シンナーでペイントを拭き取ってみます。堀が不十分なら、ペイントペンで上書きしてやり直します。
- 仕上げに400番の紙ヤスリではんこ面の平面を少し削ります。平面に削れた部分が印字面になります。この時、前にペイントはがれで生じた浅い凹みをある程度は直せるかも知れません。水洗いして完成です。
はみ出し情報
- 反応中、水素の泡は液面で絶えず希塩酸の霧を作ります。その霧を吸い込まないようにし、換気に注意しましょう。
- 反応の途中で、やや大きくなった泡にライターの火を上から近づけると、パチンと小さな音がして水素らしく燃えます。
- 発生水素の1000分の1程度の体積しかアルミは掘れませんから、気長にやる必要があります。反応が充分活発なら10分程度でも深く掘れます。しかし、反応が激しいとペイントが途中で剥げやすいです。
投稿者 : 小林 義行(茨城)
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