StretchScript変換ツール「sb3-changer」

生成AIが書いたコードを、生徒がその場でStretch3のブロックに変える
分野 情報の技術(プログラミング系/教材用ソフトウェア)
対象 中学校技術科 生徒が直接使うことを想定
動作環境 ブラウザのみ。Chromebookで動作確認済み(iPadは未検証)
必要なもの StretchScript仕様に対応させたGeminiのカスタム指示Gem(必須)
教材URL https://playa2021git.github.io/sb3-changer/
ソース https://github.com/playa2021git/sb3-changer
投稿者 近藤昌也(金沢市立野田中学校 ※2026年現在)

1.どんな教材か


生成AIが出したコードを貼り付けると、Stretch3(Scratch3.0互換)で開ける.sb3ファイルに変換します。生徒の操作は、コピーして貼って、ボタンを2回押すだけです。
再発明プロジェクトの試作で、アイデアをAIに相談してからブロックを動かすまでを1時間の中で回せます。生徒は写経する側ではなく、出てきたものを読んで直す側に回ります。
なお、この変換器は単体では使えません。StretchScriptという書き方でコードを出すよう、生成AI側にカスタム指示を仕込んでおく必要があります(私はGeminiのGemを使っています)。ここは必ずセットです。

2.この記事で伝えたいこと

プログラムを書けない教員が、なぜこれを作れたのか。答えは「粘り強くAIと話し続けたから」の一点です。技術力ではありません。以下は、真似していただくための具体的なやり方です。

3.真似するための7つのこと

①最初の依頼は、びっくりするほど雑でよい
「生成AIが書いたコードを貼り付けたら、Scratchで開ける.sb3ファイルとしてダウンロードできるWebページを、HTML1枚で作って。中学生が使うので文字は大きく。」
私が最初に出した指示はこれだけです。仕様書を書こうとして手が止まるより、動くものを1回出させて、それを触るほうが早いです。

②触って、文句を言う。ここが教員の本領です
出てきた画面を、生徒の立場で操作します。「押す場所が分からない」「エラーの言葉が難しい」「ここは3年生には無理」。この指摘こそが、AIには出せない部分です。教員は日々、生徒がどこでつまずくかを見ています。それが最大の武器になります。

③AIの説明が難しいときは、遠慮なくそう言う
専門用語が並んで意味が分からないことは、何度もあります。そのときは正直に言えば済みます。

  • 「もっと分かりやすく説明して」
  • 「もっと簡単にできる方法を考えて」
  • 「パソコンに詳しくない人でもできる手順にして」
  • 「たとえ話で説明して」

分からないまま進めるより、聞き直したほうが速いです。分からないと言うことは、恥ではなく手順です。

④1回で完成させようとしない
直すのは、一度に1か所です。直す、触る、また文句を言う。この繰り返しでしか良くなりません。私はこの教材を、何日にも分けて少しずつ直してきました。

⑤うまくいかないときは、症状をそのまま伝える
エラーの文章をそのままコピーして貼る。画面の写真を見せる。「動きません」だけでは直りませんが、症状を見せれば、AIはかなりの確率で原因を当てます。

⑥行き詰まったら、別のAIに同じファイルを渡す
同じAIと押し問答を続けても抜け出せないことがあります。ファイルごと別のAIに渡すと、あっさり別の道が見えることがあります。たとえばChatGPTと対話しててもなかなかエラーが直らない場合は、ソースコードをGeminiやClaudeに投げるといったことが結構効きます。

4.実際、こんな一日でした

きれいに進むわけではありません。先日、micro:bitのサーボが動かない不具合を追いかけた日は、こうでした。

  • AIが実在しない関数名を書いていた。直すと、次はまた別の名前を発明した
  • 名前を1つずつ直しても切りがないので、使える関数名の一覧をAIに渡す仕組みに変えた
  • それでも直らないので調べたら、AIが一覧を読んでいなかった。読ませる場所を変えた
  • 次は引数の書き方で止まった。これはAI側の抜けだった
  • 最後は自治体のフィルタリングで部品が読み込めず止まった。教材の中身の問題ですらなかった

半日かかりましたが、最後は実機のmicro:bitが動きました。うまくいかない原因は、たいてい1つではありません。1枚ずつ剥がしていけば、必ず終わりが来ます。

最終的には、このぐらいのコードを、

【micro:bitを使います。
Aボタンを押すと温度の値を画面に表示する。
Bボタンを押すと明るさの値を画面に表示する。
A+Bを押すたびに、P14端子のアナログ出力を200と0で交互に切り替える。】

というプロンプトで出すようになりました。

5.授業での使いどころ

  • 再発明プロジェクトの試作段階。相談→変換→動かす→直す、を1時間で回す
  • 変換に失敗するのは、たいていAIが仕様外の関数を使ったとき。そのエラー画面が「AIの出力を鵜呑みにしない」という学習材料になります

本校では、教育委員会が用意したGeminiのアカウント上でGemを運用しています。生徒に個別の生成AIアカウントを持たせない運用でも成立する構成です。

6.公開先・ライセンス

本教材のコードは生成AIとの対話によって作成し、技術的な内容は投稿者が確認しています。授業でご自由にお使いください。

この記事は「技術科の教員がVibeコーディングで作ったWeb教材」4本シリーズの一部です。(第2回:日本家屋耐震シミュレーション/第3回:歯車・チェーン回転速度シミュレータ/第4回:おうちの電気シミュレーター)


投稿者:近藤昌也(石川県)

Footer Image

投稿者プロフィール

管理者

関連するお勧め教材

\ 最新情報をチェック /