技術のわくわく探検記 2006.5.14./2011.4.2/2011.4.9.

掲載内容は2011年現在のものです。

周波数変換所

日本に3か所ある周波数変換施設・・・東日本の交流50Hzと西日本の交流60Hzを相互に変換

東京電力(株)
新信濃変電所
電源開発(株)
佐久間周波数変換所
中部電力(株)
東清水変電所
変換能力 最大60万kW 変換能力 最大30万kW 変換能力 最大10万kW
長野県東筑摩郡朝日村大字古見 静岡県浜松市天竜区佐久間町中部 静岡県静岡市清水区広瀬

 東日本大震災による福島第一原子力発電所事故等で電力不足になり、周波数の異なる中部電力(株)からの電力供給で周波数変換所が注目されましたが、「新信濃変電所」60万kW、「佐久間周波数変換所」30万kW、「東清水変電所」10万kWの他に、関西電力(株)の長野県にある「御岳発電所(水力)」と「寝覚発電所(水力)」の電源周波数を60Hzから50Hzに転換して最大10万kWを直接、東京電力(株)管内に送電する対策がとられています。
関西電力株式会社「東北地方太平洋沖地震にかかる東京電力・東北電力等への応援状況」2011年3月28日 プレスリリース
また、中部電力(株)の発表(2011年3月23日)によると下記のような電力融通を実施しています。
中部電力株式会社「東清水FCの緊急対策としての変換能力向上の検討について」2011年3月23日 プレスリリース
・「東清水変電所」の変換能力を3万kW増加させ13万kWに増強。
・泰阜水力発電所の発電機を50Hzで送電できるよう切替作業を実施し、2011年3月22日から2万〜4万kWの電力融通を実施。
・中部電力(株)は、電源開発(株)と佐久間水力発電所の電力を受給する契約を交わしており、佐久間発電所の発電機を50Hz運転へ切り替えることで支援を実施、さらに佐久間発電所に接続する154kV送電線につながる電源開発(株)秋葉系水力発電所の発電機も50Hz運転へ切り替えることで、最大で23.1万kWの電力を融通。
・東京電力(株)が必要に応じて発電できるよう、中部電力(株)の電力を用いて電源開発(株)新豊根水力発電所(揚水発電所)の揚水を実施。・・・電源開発(株)新豊根水力発電所(揚水)は、中部電力(株)と東京電力(株)が電源開発(株)との間で電力を受給する契約を交わしており、中部電力(株)と東京電力(株)がダムを共同で使用しています。

なお、2011年5月13〜14日に中部電力(株)浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の原子炉(4号機・5号機)停止によって、これまで行われていた中部電力(株)から東京電力(株)と九州電力(株)への電力融通も停止されました。
浜岡原子力発電所4号機および5号機の停止について(中部電力 プレスリリース 2011年5月12日)
浜岡原子力発電所の運転停止に伴う今夏の需給対策の状況について(2011年5月23日現在)


関連項目

・新軽井沢き(饋)電区分所(JR東日本 長野新幹線 軽井沢駅〜佐久駅間)・・・・日本で唯一 交流50Hzと60Hzの異周波切替セクション

JR北陸本線 梶屋敷駅〜糸魚川駅間デッドセクション(直流1500V・交流20000V 60Hz)

・JR東北本線 黒磯駅デッドセクション(直流1500V・交流20000V 50HZ)

・JR山陽本線・鹿児島本線 門司駅(直流1500V・交流20000V 60Hz)
※山陽本線が直流電化(1500V)、鹿児島本線は交流電化(20000V 60Hz)されているため、門司駅構内の下関駅側と門司駅構内(貨物列車用)にデッドセクションが設置されています。寝台特急など電気機関車が客車を牽引する列車(2009年に廃止)は、門司駅で関門トンネル専用の交直両用電気機関車EF81-400番台とJR九州の線区を運行するための交流用電気機関車ED76の機関車交換が行われていました。山陽本線の下関駅では直流用電気機関車EF66との機関車交換が行われていました。 ->さようなら 寝台特急「はやぶさ」「富士」

・「交流電化発祥地」碑  JR仙山線 作並駅 宮城県仙台市青葉区作並
※日本で初めて(1955年)の交流電化区間(現在は直流電化区間)・・・新幹線の電力技術も、ここが発祥地

デッドセクションとは? http://deadsection.image.coocan.jp/dead_sec/dead_sec.htm


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