産業技術遺産探訪 2004.1.9./1.10/1.16./1.20./4.25/

旧 西毛電気(株)
1909(明治42)年設立
群馬県内で9番目の電力会社

 

坂本発電所
1915(大正4)年竣工の水力発電所


坂本発電所
(切石積遺構)


石垣の上の発電所建家があったと考えられる場所には、石積みのスロープが残っています。

 高芝発電所の出力を補う第2発電所として設置された坂本発電所には、200馬力の水車と50kVAの発電機が設置されて、出力は50kWでした。坂本発電所は、高芝発電所よりも小規模でしたが、建家は高芝発電所とほぼ類似したものであったと考えられます。坂本発電所は、1932(昭和7)年頃まで稼働していました。


放水口
(切石積遺構)


要石(キーストーン、楔石)が入った美しいアーチ構造になっています。
放水口の高さは6500mm、開口部は、幅1470mm、高さ5700mm、奥行き5700mm


洞内の天井部分には水を落とした2つの開口部があります。

階段のいちばん下に、碓氷川へつながる水路のトンネルが設けられています。
発電に使った水を、このトンネルを通して再び碓氷川へ返していました。
このトンネルはカーブして、碓氷川に沿って下流側に開口しています。


発電所の建家があったと考えられる場所には、発電・変電機器を収めていたと思われる遺構があります。


碓氷川への放水路の遺構(間知石の空積み遺構)


坂本発電所取水口
(切石積遺構)


坂本発電所 取水口
碓氷川から取水していました。


地図の上が南
指示している部分に取水口があります。
城山の下をトンネルでくぐりぬけています。
発電所が稼働していた当時には坂本ダム(碓氷湖)は、まだありませんでした。


導水路のトンネル内には空気が流れていて、現在でもつながっていることがわかります。


手前は碓氷川
城山の岩壁に導水路のトンネルがつくられています。


坂本発電所導水路出口
(切石積遺構)


導水路出口の切石積遺構


導水路は、城山の下をトンネルで結ばれています。
トンネル内には空気が流れており、現在でも取水口とつながっているようです。

導水路出口から水圧鉄管までつながる水路の遺構
コンクリートでつくられた沈砂池?と間知石が積まれた水路
導水路出口と水圧鉄管の接続地点に谷を挟んで残る1対の切石積遺構
谷の北側に残る遺構
橋台のようにほぼ完全な形で残っています。
谷の南側に残る遺構
やや崩壊が進んでいます。


この谷沿いに水圧鉄管が設置され、発電所へ向けて水が落とされました。
有効落差は約52mありました。


旧 西毛電気(株)
 
1909(明治42)年設立
  群馬県内で9番目の電力会社

 ・
川久保発電所
  1910(明治43)年竣工の水力発電所
 ・
高芝発電所
  1911(明治44)年竣工の水力発電所
 ・
坂本発電所
  1915(大正4)年竣工の水力発電所

 ・一ノ宮変電所東京電力・北甘変電所
  1919(大正8)年竣工の変電所 国登録有形文化財
   群馬県富岡市一ノ宮422番地


碓氷の産業技術遺産探検隊

2004年4月27日 産業技術遺産探検隊が確認した「西毛電気・坂本発電所」の遺構が上毛新聞に掲載されました!


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