産業技術遺産探訪 2006.12.23.
栃窪風穴
(東谷風穴)
1910(明治43)年
蚕種貯蔵用風穴
中之条町指定重要文化財(指定申請中)
群馬県吾妻郡中之条町栃窪
栃窪風穴(東谷風穴)は蚕種保存用施設として1910(明治43)年から使用された施設です。風穴内部の地下1階は整理室、地下2階は冷蔵室、地下3階は天然氷を敷き詰めた氷庫となっていました。一般農家の利用が多く、吾妻郡内をはじめ利根郡の農家からの利用もありました。この施設によって蚕種が貯蔵可能(孵化を抑制)となり、年間5回の養蚕が可能となりました。
谷間の中腹に間知石で石垣を組み、岩の間から吹き出す冷風によって蚕種を貯蔵した施設跡が現在も残っています。
栃窪風穴(東谷風穴)へは、国道145号線から県道231号線(大道横尾線)を北上し、中之条町赤坂または栃窪から「林道・栃窪線」に入ります。「林道・栃窪線」の起点である中之条町栃窪には「前新田」への分岐を示す道路標識と「林道・栃窪線・起点」の標識があります。ここから林道に入った場合は、約2.5kmで栃窪風穴(東谷風穴)へつづく山道の入り口(案内板があります)に到達します。小型車1台分または軽自動車2台分の駐車スペースが確保できます。自動車で行くことができるのはここまでで、そこから先は約800mの山道となります。「林道・栃窪線」の終点である中之条町赤坂から入った場合、小型車では道幅が狭いため通行困難な場所があります。
栃窪風穴(東谷風穴)入口 を示す案内板 |
栃窪風穴(東谷風穴)へ つづく山道の入口 |
群馬県内のおもな蚕種貯蔵用風穴跡
栃窪風穴
(群馬県吾妻郡中之条町栃窪)
荒船風穴
(群馬県甘楽郡下仁田町大字南野牧屋敷)
星尾風穴
(群馬県甘楽郡南牧村大字星尾)
黒岩風穴
(群馬県高崎市箕郷町松之沢)
榛名風穴
(群馬県渋川市伊香保町伊香保)