2014年　蚕（カイコ）

２０１４年

蚕（カイコ）
鱗翅目カイコガ科

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　カイコの飼育は2000年に初めて行い、2006年から毎年続けて行っていますが、2012年は2008年以後、久しぶりにたくさんの蚕（約2400頭　絹織物１反に必要な繭は約2600粒）を飼育しました。中学校　技術科での学習「生物育成の技術」と「産業技術史」の教材としても使っています。

　2013年の夏（2013年7月28日～8月）は、日本種・在来種「杲（尾高）」「日本錦」、中国種・在来種「大造（長野）」「淅江」「茶斑」「瘤蚕」「アモイモリコード」「改じょう」「大安橋」「天門」「棲キョウ」、突然変異種「白卵油」を飼育しています。蚕の在来種は、農作物の伝統野菜に相当するもので、日本各地の養蚕農家や蚕業試験場・大学・専門学校・蚕糸学校などの研究教育機関等で飼育されていたものです。

　2014年の夏は、５齢の蚕を分けていただきました。品種は「小石丸」「姫日（姫蚕）」「杲」「油蚕（優性短節）」「ジャロー油蚕」「紫蚕」「茶斑」「瘤蚕」「アモイモリコード」「勝木モザイク」「棲キョウ」「天門」、世界初の広食性蚕系統「沢J」・・・リンゴの果実も食べる蚕です。（＾＾）
　蚕の卵（蚕種）をとって冷蔵し、来年の授業に使う計画です。

　養蚕のために農家で飼育されるカイコは、丈夫で病気にかかりにくく糸の生産量の多い「交雑種」がほとんどを占めています。昨年飼育した在来種は、今年8月に孵化させ飼育しました。在来種については、来年は生徒たちが観察・実験できるように飼育していきたいと考えています。その際、一部を交配させ、品種改良の様子を見て確かめられるようにしたいと計画しています。


「農業生物資源研究所北杜地区」（山梨県北杜市）から提供していただいたカイコは５齢なので、１週間ほど桑を与えて飼育します。	「まぶし（蔟）」を設置して蚕が繭をつくりやすくしてやります。	今回は卵（蚕種）をとることが目的のため、繭から蛹を取り出しておきます。	紙コップを使って蚕種づくりをしました。

5齢（幼虫）　->　　　繭　　->　　　カイコガ（成虫）　　->　　卵（蚕種）
小石丸　　Koishimaru 日本種・在来種（春蚕期）

↑　小石丸
姫蚕（姫日）日本種・在来種（春蚕期）

↑　姫蚕（姫日）
杲（尾高）　　Hinode　日本種・在来種(春蚕期) 群馬県の尾高発二が保有していたもので、群馬県蚕業試験場（前橋）が保存していたもの

↑　杲（尾高）
紫蚕　　Murasakiko 日本種・在来種（春蚕期）

↑　紫蚕
茶斑　　Chahan 中国種・在来種（春蚕期）

↑　茶斑
瘤蚕　　Kobuko 中国種・在来種（春蚕期）

↑　瘤蚕
天門　　Tenmon　中国種・在来種（春蚕期）

↑　天門
棲きょ　　Seikyo 中国種・在来種（春蚕期）

↑　棲きょ
アモイモリコード　　Amoimorikod 中国種・在来種（春蚕期）

↑　アモイモリコード
優性短節油蚕突然変異（幼虫形質）　初秋蚕期

↑　優性短節油蚕
ジャロー油蚕突然変異（幼虫形質）　初秋蚕期

↑　ジャロー油蚕
勝木モザイク「一個体の生物体の異なった部分で2つの遺伝的対照形質が現れているものをモザイクとよぶ。モザイク個体は動物においても植物においても出現し,　昆虫ではその例が多く知られている。このモザイクの個体は遺伝及び発生を研究していくうえで有用な材料となる。」（http://www.tuat.ac.jp/~kaiko/03/mosaic.html）

↑　勝木モザイク
沢Ｊ・・・世界初の広食性蚕系統「沢」は育種素材の保存地である山梨県北杜市小淵沢町の「沢」を、「J」は日本種を意味します。 ※リンゴの果実も食べる蚕

↑　沢Ｊ