産業技術遺産探訪 2003.3.21.

旧・吾嬬橋
ペンシルバニア型トラス鉄橋
(ペチット型トラス橋)

 旧・坂東橋として1901(明治34)年竣工 1959(昭和34)年3月移設
群馬県六合村(村道小雨生須線・白砂川)
六合村指定建造物1994(平成6)年2月21日指定

 群馬県渋川市と群馬県勢多郡北橘村を結ぶ「旧・坂東橋」が利根川に架設されたのは1901(明治34)年でした。「旧・坂東橋」は1959(昭和34)年に架け替えられ、「旧・坂東橋」の南側に隣接して現在の坂東橋が国道17号線として利根川に架かっています。「旧・坂東橋」は「ペンシルバニア型トラス鉄橋」で、斜めに組み合わされた鉄骨がピンによってトラスに結合されており、米国製の輸入鋼材でつくられていました。この「旧・坂東橋」は、群馬県の六合村、赤城村、子持村に譲渡され移設されました。群馬県六合村の白砂川に架かる「旧・吾嬬(あずま)」(全長69m、幅2.5m)は、このとき移設されたもののうちの1スパン(1連)分で現存する唯一のものです。
 この「吾嬬橋」鉄橋の架設によって、暮坂峠を経て中之条と草津が自動車の通行できる道路で結ばれ、東武バスも運行されるようになりました。 

 群馬県内の最初の道路鉄橋は、1899(明治32)年竣工の「利根橋」で、この「旧・吾嬬橋(旧・板東橋)」は現存する道路鉄橋としては最も古いものに属します。
 また、国道17号線の「坂東橋」に隣接して群馬県勢多郡北橘村と渋川市に「旧・板東橋」の橋台と欄干の一部が残っています。

 この「旧・吾嬬橋」は、三代目で、現在はこの橋に隣接して新しい「吾嬬橋」が架けられています。初代は木橋、2代目は吊り橋でした。これらの橋の写真が「旧・吾妻橋」のたもとに橋の説明とともに掲示されています。
 ここを1922(大正11)年10月19日に訪れた若山牧水は旅日記「みなかみ紀行」に記しています。

 おもはぬに 村ありて名のやさしかる 小雨の里といふにぞありける    若山牧水

 ※小雨の里は、現在の群馬県吾妻郡六合村小雨です。

 九十九折 けはしき坂を降り来れば ありてかかる峡の深みに    若山牧水

 ※この橋は「吾嬬橋」です。


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