産業技術遺産探訪 2000.4.18./2003.5.20./2004.1.12./2004.5.3./2004.5.24./2005.4.10.

琵琶湖疏水記念館
      京都府京都市左京区南禅寺草川町17

蹴上発電所ペルトン水車
              製造所:石川島播磨重工業
              直径2.4m 出力90kW
              稼働期間:1897(明治30)年5月〜1912(明治45)年
    

 「蹴上発電所」の発電用水車で、1897(明治30)年当時は同型のペルトン水車が20台稼働しており、1912(明治45)年まで使われました。これらの20台のペルトン水車のうち少なくとも6台は、アメリカ合衆国サンフランシスコにある「ペルトン社」の設計・製造で、2台は石川島播磨重工業で製造されたものです。こうしたペルトン水車による発電は、高落差用の発電用水車として現在でも発電所(黒部第4発電所など)で使われています。
 ペルトン水車に直結している「はずみ車」にベルトを掛けて発電機へ回転を伝えました。


回転数の調節は、このノズルを上下させてペルトン水車のバケットに当たる水量を調整することによって行いました。

蹴上発電所スタンレー式2相交流発電機
              製造所:米国・スタンレー社<現在のGE(ゼネラル・エレクトリック)社>
              2相式交流発電機
              回転数:1000rpm、電圧:2000V、出力:60kW、周波数:133Hz
              1894(明治27)年輸入
              稼働期間:1897(明治30)年5月〜1912(明治45)年

 1885(明治18)年に琵琶湖疎水工事が始まり、その水力利用の一環として、日本の事業用としては初めての「蹴上発電所」を建設し、1897(明治30)年には19台の発電機を設置しました。この「スタンレー式直流発電機」は、1894(明治27)年にアメリカ合衆国の「スタンレー社」(現在のゼネラル・エレクトリック(GE)社)から輸入されたもので、京都市水利事務所の蹴上発電所第4号機として設置された2相式交流発電機です。
 構造は、現在の発電機とは異なり、回転子にはコイルがなく、界磁コイルと電機子コイルが固定子の側にあるのが特徴です。当時はこうした発電機とともに、電動機(モーター)も輸入され動力用として使われました。


琵琶湖疏水

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