産業技術遺産探訪 2000.4.18./2003.5.20./2004.1.12./2004.5.3./2004.5.24./2005.4.10.
蹴上発電所
日本で最初の事業用水力発電所
第1期工事1890(明治23)年2月起工
1891(明治24)年11月送電開始
第1期工事:1897(明治30)年5月竣工
第2期工事:1912(明治45)年2月竣工
第3期工事:1936(昭和11)年竣工
京都府京都市左京区粟田口
第2期蹴上発電所
1891(明治24)年に、米国コロラド州アスペンの水力発電所を参考にした日本最初の水力発電所である「蹴上発電所」が「琵琶湖疎水」(1885<明治18>年6月起工、1890<明治23>年4月竣工)の豊富な用水を利用して蹴上に完成し、1891(明治24)年11月に送電を開始しています。ここで発電された電気は京都市内の時計工場や紡績工場に動力用電力として供給され、インクラインの運転動力もこの電力を利用しています。また、1895(明治28)年2月に開通した京都電気鉄道・伏見線(日本で最初の市街電車)にも電力を供給するなど、新しい産業の振興に大きく貢献し、京都市発展の一大原動力となりました。
第2期工事(1912<明治45>年2月竣工)で建設された蹴上発電所建家
第1期工事1890(明治23)年2月起工
1891(明治24)年11月送電開始
・ペルトン水車(120馬力)・・・・・・・・2台
・エジソン式直流発電機(80kW)・・・2台
第1期工事:1897(明治30)年5月竣工
・ペルトン水車(120馬力)・・・・・・・・20台
※ペルトン水車は少なくとも6台が米国・ペルトン社(サンフランシスコ)で、
2台が石川島播磨重工業で製造
・発電機(75〜200kW)・・・・・19台 直流発電機7台、交流発電機12台
※発電機は輸入18台、芝浦製作所製1台で電圧や周波数は統一されていない。
第2期工事:1912(明治45)年2月竣工
出力 4800kW
・横軸フランシス水車(1700馬力)・・・5台(輸入)
・交流発電機(1200kW)・・・・・・・・・・5台(輸入)
第3期工事:1936(昭和11)年竣工
出力 5700kW
1979(昭和54)年 出力4500kW(琵琶湖疎水の水道使用量増加による)
・縦軸フランシス水車・・・・2台(国産)
・交流発電機・・・・・・・・・・2台(国産)
蹴上発電所水圧鉄管
(有効落差 36m)
蹴上発電所取水口水門
蹴上発電所・ペルトン水車
製造所:石川島播磨重工業
直径2.4m 出力90kW
稼働期間:1897(明治30)年5月〜1912(明治45)年
蹴上げ発電所・スタンレー式2相交流発電機
製造所:米国・スタンレー社<現在のGE(ゼネラル・エレクトリック)社>
2相式交流発電機
回転数:1000rpm
電圧:2000V
出力:60kW
周波数:133Hz
1894(明治27)年輸入
稼働期間:1897(明治30)年5月〜1912(明治45)年