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ツタンカーメン王陵?のエンドウ
生徒たちによる実験栽培の記録

 農耕の起源や農耕文化についての研究で日本では第一人者である中尾佐助博士や、作物学の研究者である石井龍一博士によると、「冬作物」である「エンドウ」は、ムギ類、まめ類(ソラマメ、エンドウ)、ナタネ、ダイコンなどとともに、「旧大陸農耕文化」の中の「地中海農耕文化」を支える基本的な作物です。

 これらの作物がもつ植物学的特徴は、「低温にあって花の原基(げんき:花のもとになる組織) を分化し、長日条件(ちょうじつじょうけん:昼の長さが長くなる季節)で開花します。したがっ て、秋に種をまくと冬の低温で花芽を分化し、翌春、長日条件になると開花・結実する」ということです。
 (石井龍一「役に立つ植物の話〜栽培植物学入門」(岩波ジュニア新書355)岩波書店 2000.8.18. p.21)
 

 一般に、エンドウは10月頃播きますが、今年は比較の実験として5月からも栽培をはじめました。はたして育つのでしょうか?いったいどのような生育をするのでしょうか?

エンドウを春に播くとどうなるでしょう?
※低温処理や連作障害を考えないで栽培するとどうなるの?
2001年5月〜7月
2002年5月〜7月

 ここでは、いわゆる「ツタンカーメン王陵のエンドウ」と呼ばれているものを栽培しています。ただし、ツタンカーメン王陵から発掘されたエンドウであるという確証はありません。しかし、紫色の「花」や「さや」が、現在一般に栽培されているエンドウとは明らかに異なる品種であることを示す珍しいエンドウです。


農耕の起源については、
※中尾佐助「栽培植物と農耕の起源」(岩波新書G103)岩波書店 1966.1.25.
※藤原宏志「稲作の起源を探る」(岩波新書G554)岩波書店
※佐藤洋一郎「縄文農耕の世界〜DNA分析で何がわかったか」(PHP新書125)PHP研究所 2000.9.4.


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