産業技術遺産探訪 2004.8.6.

旧 神戸居留地15番館
旧 米国領事館


1880(明治13)年竣工
木骨煉瓦造2階建、寄棟造、桟瓦葺

国登録文化財
1989(平成元)年5月19日指定

神戸市中央区

 1868(慶応3)年の兵庫開港により、126区画、25.8haの外国人居留地が開設され、商館を中心として領事館やホテル、教会などがつぎつぎに建てられました。
 1880(明治13)年、15番地に建てられたこの建物は、現在、神戸市内に残っている異人館としては最も古い建物で、木骨煉瓦造2階建、寄棟造、桟瓦葺で2階は南側両端にペジメントをつけ、コロニアルスタイルの開放されたベランダを持ち、外観は石造風意匠となっています。
 神戸の旧居留地に現存する唯一の遺構として1989(平成元)年に国の重要文化財に指定され、1990(平成2)年7月から1993(平成5)年3月にかけて行われた修理工事により明治の面影を取り戻していましたが、1995(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災により全壊してしまいました。地震により液状化現象が生じた旧居留地内では、この建物以外にも、20棟を超すビルが全壊しており、いかに激しい地震であったか窺い知ることができます。
 全壊した十五番館でしたが、震災後に部材を回収することからはじまった復旧工事は、約3年の歳月と関係者の努力や様々な人々の協力により、最新の耐震技術である免震工法を採用した日本最初の文化財建造物として蘇り、旧居留地の歴史を伝える唯一の建物として震災前の姿を取り戻すことが出来ました。 


技術のわくわく探検記  産業技術遺産探訪  技術科@スクール