技術のわくわく探検記 2003.5.20.

旧 京都電燈伏見発電所
(株)モリタ製作所本社工場

京都府京都市伏見区東浜南町680

煉瓦造切妻屋根二棟
東棟・・・ワーレントラス(Warren truss)屋根二階建、西棟・・・フィンクトラス(Fink truss)屋根
竣工 1902(明治35)年頃
設計 イギリス人技師?
施工 不詳

 京都電燈会社は、京都市街地(先斗町など)への灯火用の電気を供給する目的で1888(明治21)年に創立された電燈会社(初代社長は田中源太郎)です。京都電燈伏見発電所は、濠川(琵琶湖疎水)や高瀬川(東高瀬川)が宇治川と合流する淀川舟運の中継基地であった伏見港に隣接して建設されました。

 現存する京都電燈伏見発電所の建物は煉瓦造の二棟が接するようにして東西に並んでおり、屋根を支えるトラス(東棟はワーレントラス(Warren truss)屋根二階建で、西棟はフィンクトラス(Fink truss)屋根)や建物のデザインが大きく異なっています。

 これらの建物は、精密機器(医療機器)を製造する(株)モリタ製作所本社工場(西棟)や同社の食堂・体育館(東棟)として使われています。1916(大正5)年に森田純一によって創業した歯科用品商の「森田歯科商店」(京都市中京区)が、1943(昭和16)年に工作機械製造部門を、京都市伏見区に「森田製作所」として独立させたときに、当時すでに使われなくなっていた旧・京都電灯伏見発電所を買い取り、森田禮三によって1943(昭和18)年に森田製作所伏見工場として旧・発電所内部を改修したものです。


東棟の白い部分はセメントや御影石によって最近補修されたものです。

西棟の屋根を支えるフィンクトラス 欠円アーチに2連のアーチ窓が入っています。

見学では(株)モリタ製作所本社総務課谷口さんが案内して下さいました。

本社正門から見て奥に旧・京都電燈伏見発電所の煉瓦造建物(東棟)が見えます。


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