技術のわくわく探検記 2003.5.20.

エジソン碑
京都府八幡市・石清水八幡宮

 エジソン電球の炭素フィラメント材料に京都の石清水八幡宮の孟宗竹(モウソウチク Phyllostachys heterocycla Mitf. f.pubescens Muroi イネ科 マダケ属)が使われたことは有名です。このことを記念して、京都府八幡市にある石清水八幡宮境内には「エジソン碑」があります。

   西暦1879年にトーマス・アルバ・エジソンが灯火の革命ともいえる炭素白熱電球を発明し、この石清水八幡宮境内に生えている竹が電球の命ともいえるフィラメントの材料として最も適していることを知り電球発明の翌年から十数年もの永い間この竹を使ってたくさんの炭素電球を造り世界の人々に電灯のありがたさを知らされました。つまり、この八幡の竹が炭素発熱電球の実用化に大きな役目をつとめたのです。
 そこで1929年に電灯発明五十年を記念して世界各国で電灯黄金祭が催された時、日本もこれに加わり記念事業の一つとして電球の発明と切っても切れない関係にあるこの土地に記念碑を建てエジソンの功績を永久に伝え讃えることになったのです。
 最初に建てられたのはこの境内北側に続く場所でしたがエジソン彰徳会の手で昭和三十三年にここに移され更に昭和五十九年十月に現在の姿に再建されました。

エジソン碑の碑文などには、次のような解説が書かれています。


エジソン記念碑

Genius is one per cent inspiration
and ninety-nine per cent perspiration.
Thomas Alva Edison

TO THE MEMORY
OF
THOMAS ALVA EDISON
1847-1931


 昭和四年萬國照明委員會の提唱により世界各國で電灯發明五十年を記念して電灯黄金祭が催されるに當り我國もこれに参加しエヂソンの功績を永久に讃えるため白熱電球發明にゆかり深いこの神苑に本碑の建設を計画したが時の政府により境内の敷地使用を認可されなかったため止むを得ず昭和九年四月境内北側隣接民有地を選び建碑した其後事情が変り記念碑を神社境内に建設することも自由になったのでエヂソンに対する感謝の念を新たにするための有志相寄り本會を創立しその事業として各方面の協力を得て建碑當初の意向を継承し現在地に移したものである。
 昭和三十三年三月
  エヂソン彰徳會
   會長 堀 新

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エヂソン記念碑

 トーマス アルバ エヂソンハ北米合衆国ノ人ナリ才識衆ニ勝レ精力群ニ絶ス多数ノ貴重ナル發明ヲ完成シテ英名ヲ世界ニ馳セ科學ノ進歩ニ貢献シ人類ノ福祉ニ寄與セシ所洵ニ鮮少ナラズ就中白熱電燈ノ如キハ最モ顕著ナルモノトナスソノ發光體ニ使用スベク各種ノ炭化繊維ニツキテ實験ヲ重ネ遂ニ竹材ヲ用フルコトニ成功シ 皇紀二千五百四十年使ヲ本邦に遣ハシ京都府知事槇村正直君ノ斡旋ニヨリ良材ヲ石清水八幡宮ノ薮林中ニ發見スルニ及ビテ始メテソノ實効ヲ収ムルヲ得タリ實豈夫レ神明ノ加護ナカランヤ今ヤ全世界ノ燈火ハ擧ゲテ煌々タル電燈ヲ用ヒ寒村僻邑ト雖モ文明ノ惠澤ニ浴セザルナク翁ノ言ニ曰ク發明ハ百中九十九分ノ努力ト一分ノ霊感トニ由ルト翁ハ獨學力行ノ人ニシテソノ發明ハ全ク苦心努力ノ結果ニ成ル蓋シ非常ノ人ニシテ然ル後非常ノ功アリ何ゾ後世ニ傳ヘザルベケンヤ茲ニ同志相謀リテ記念碑ヲ由緒深キ男山ニ建テ以テ翁ノ偉勲ヲ千載ニ顕ハシ且八幡大神ノ神徳ヲ世界ニ宣揚スト云フ

 エヂソン記念碑建設會
  會長 伯爵 清浦奎吾
    昭和九年四月建立

發起者
社團法人 電氣協會
社團法人 電氣學會
社團法人 照明學會
社團法人 電氣普及会
社團法人 帝國發明協會
社團法人 日本動力協會
社團法人 電信電話學會
社團法人 日本ラヂオ協會
社團法人 農事電化協會
社團法人 帝國教育會


京都・石清水八幡宮境内の竹林!・・・竹竹竹・・・



京都・八幡の竹で、炭素フィラメントを作ってみよう!・・・成功したらお知らせします(^^)

技術のおもしろ教材集〜エジソン・カーボン電球いろいろ
http://www.gijyutu.com/kyouzai/mokei/ohki2/light.htm

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