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技術のわくわく探検記 2001.8.7.

旧・東清鉄道汽船会社事務所(複製)
(北九州市立国際友好記念図書館)
※大連市にある旧・東清鉄道汽船会社事務所(1902年竣工)の複製(1994年12月竣工)

福岡県北九州市門司区

 古くから、門司港は、九州の玄関口として、また大陸貿易の拠点として栄え、特に大連市との間には重要な国際航路がありました。
この国際友好記念図書館は、大連市と北九州市の友好都市締結15周年を記念して、両市の文学的・歴史的に意義のあるシンボルとなるように、大連市にある旧・東清鉄道汽船会社事務所を文献資料や実測調査を基にして建設当時の近い形で複製建築されました。
 モデルとなる大連市の歴史的建造物は、1902年に東清鐵道汽船会社の事務所として建築され、1907年には大連倶楽部、1926年に日本橋図書館として利用され現在は集合住宅として使用されています。
 複製建築にあたっては、外壁の石や煉瓦は、大連市で加工製作したものが使用されています。

 外壁の石材は、大連市近郊で採れた御影石(花崗岩)で、5000個を輸入したものが使われています。石の表面に平行にはしる削り跡は、大連市の石工の協力で原形通りの石鑿(のみ)の跡を再現したものです。
 1902(明治35)年当時、屋根には中国瓦が葺かれていたことから、日本の気候にあったものを国内で特注されたものが使用されています。平瓦と平瓦を交互に組み重ねる「反瓦葺」は、現在でも大連市郊外の農村でよく見られる葺き方です。
 大連市の工場で焼かれた煉瓦の数は、10万個で、その中から約4万5000個を選んで使用しました。煉瓦は「イギリス積み」(一列ごとに交互に大小2種類のサイズの煉瓦を積み上げていく煉瓦積みの方法)です。
 石や煉瓦の目地が珍しい「覆輪形状」になっています。このような山形に盛り上がるようにしたのは、遠くから建物を見たときに立体感を出すための工夫で、独特のコテを使って仕上げます。


門司港周辺の歴史的建造物

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