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技術のわくわく探検記 2001.8.6.

錦帯橋

木造アーチ橋・桁橋・・・・橋長の合計は193.3m、幅員5m
中央3連のアーチ橋は、スパン(径間)35.1m、両端の2つの桁橋は各橋長34.8m
1673(延宝元)年〜 創建以来30回ほど架替
江戸時代中期の独創的な橋梁技術

山口県岩国市

 山口県岩国市の錦川に架かる5連の木造反り橋(中央3連がアーチ橋、両端が桁橋)で、日本三奇橋の一つです。
 洪水が頻発し、橋の流失が多い錦川(川幅約200m)に隔てられた錦見(岩国藩の城下町)と横山(岩国藩の家臣屋敷)を結ぶ橋梁として1673(延宝元)年(この頃の岩国藩は第三代藩主・吉川広嘉の時代)に建設されました。
 洪水による橋の流失防止対策として、アーチ橋にすることによって橋脚を少なくし(四基)、橋脚を丈夫にする架橋方法をとりました。

※日本三奇橋・・・猿橋(山梨県大月市猿橋町・桂川)、木曽の桟(かけはし)または越中の愛本橋、錦帯橋

 

 アーチ橋の主桁は、橋脚から長さ3.6〜6.5mの桁材(拱肋)をくさびを挟みながら11段にわたって帯鉄で束ねながらせり出していく構造となっています。この構造の主桁が1m間隔で5列並び梁材で横方向に結合されています。
 こうした構造の工夫によって、小さな部材をつなぎ合わせて径間の大きなアーチ構造をつくりだしており、江戸時代中期の独創的な橋梁技術を示すものとなっています。。

 桁材と梁材は、さらに鞍木(V字形に組んであります)と肋木(板状)で補強されています。

 橋脚部分は、川床に杭(マツ材)を打ち敷石で固めて流水による浸食を防ぎ、橋脚の基礎となる部分には基礎枠(マツ材)を組み、その上に橋脚となる石積み(隙間は漆喰で埋める)をしました。
 昭和25年の台風による大洪水で錦帯橋は橋脚部分を含めて流失してしまいました。その後の再建で木造橋部分は構造を復元し、橋脚については大洪水に耐えられるように基礎部分をケーソン基礎、橋脚本体はコンクリートにして、その表面を石積み化粧張りとし昭和28年1月に竣工しました。


桁橋部分


錦帯橋「平成の架替」工事
 2001(平成13)年〜2004(平成16)年の渇水期(冬期)に半世紀ぶりの錦帯橋架替工事が実施されます。工事期間中は架替部分に迂回路が設置され架橋工事の様子が見学できます。

 第1期工事 2001(平成13)年12月〜2002(平成14)年3月末    中央のアーチ橋

 第2期工事 2002(平成14)年12月〜2003(平成15)年3月末    横山(城山)側のアーチ橋と桁橋

 第3期工事 2003(平成15)年12月〜2004(平成16)年3月15日  岩国側のアーチ橋と桁橋


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