産業技術遺産探訪 2000.4.6./2004.1.10.

旧・新勢社 生糸蔵
大正初期竣工
煉瓦造二階建・瓦葺屋根
群馬県前橋市若宮町1−3−5
2003(平成15)年12月解体撤去

 もともと、この付近にあった「新勢社」という製糸工場の倉庫でした。大正初期に竣工、2003(平成15)年12月に解体撤去されました。
 「前橋市史」によると「新勢社」は明治17年12月に小川珍郷らによって創業(才川村)、座繰製糸を行っていました。明治20年の「県勧業年報」によれば、資本金2000円、株主20、職工雇人13,営業収入金8290円、士族授産資金貸与600円ということです。当時、才川村には「大統社」という製糸工場もあり、のち才川町となってからは生糸取引場も開設し、前橋の北端に位置して勢多郡の北部で産出する生糸の取引が行われていました。明治期の前橋では、製糸工場が次々に設立しており、最盛期の明治34年には71の工場がありました。(前橋市史編纂委員会「前橋市史」第五巻 昭和59年 pp.1367-1389)
 「新勢社」のあった才川町は昭和40年代の住居表示の変更で町名は消滅しました。 


群馬県前橋市内の煉瓦倉庫


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