技術のわくわく探検記 2000.2.13.(2002.6.11.更新)


弾正橋(八幡橋)
国産初の鉄橋製作:工部省赤羽製作所)
国指定重要文化財
1977(昭和52)年6月27日指定

所在地:東京都江東区富岡一丁目19番〜二丁目7番
所有者:東京都江東区
年代:1878(明治11)年
形式:単径間アーチ橋(ウィップル形またはボウストリング形)
設計・施工:工部省赤羽製作所

 弾正橋は、1878(明治11)年東京府の依頼により工部省赤羽製作所が製作した国産第1号の鉄橋で、長さ15.2m、幅3m(有効幅員2m)の単径間アーチ型式の鉄橋でウィップル形(ボウストリング形)の鉄橋とも呼ばれます。アーチ部分を鋳鉄製とし引張材は錬鉄製の鋳鉄錬鉄混成の橋で、また独特な構造手法で施工してあります。  この橋は鋳鉄橋から錬鉄橋への過渡期の鉄橋として貴重なものです。1977(昭和52)年には近代橋梁技術史上において価値の高い橋であることから、国の重要文化財に指定されました。
 弾正橋の形式である「ウィップル形トラス橋」は、米国人技師スクワイアー・ウィップル(SQUIRE WHIPPLE)の特許が基本となっています。弾正橋の優れた製作技術に対して、1989(平成元)年10月には日本国内で初めて米国土木学会より「土木学会栄誉賞」が贈られました。
 この弾正橋は、もとは京橋楓川(東京都中央区)にかけられていましたが、大正2年の東京市区改正事業によって新しい弾正橋がかけられたので元弾正橋と改称されました。大正12年関東大震災後の帝都復興計画により、元弾正橋は廃橋となり、東京市は1929(昭和4)年5月現在地に移して保存することになりました。ここは、富岡八幡宮の東隣りであるので八幡橋となりました。もとは、下に掘がありましたが、その後埋め立てられ遊歩道となり、八幡橋も人道橋として活用されています。

旧弾正橋(八幡橋)
アーチ部分に張りめぐらされている引張材は錬鉄製です。
 工部省赤羽製作所が製作。明治
新政府らしく菊の紋章がデザインさ
れていました。
アーチ部分は鋳鉄製です。
 八幡橋への遊歩道入り口には
「江東みちしるべ〜八幡橋」の案内
があり、八幡橋の下に堀があった
頃の様子(昭和30年頃)の写真を
見ることができます。現在は埋め立
てられて、遊歩道になっています。
 1989(平成元)年10月には日本国内で初めて米国土木学会より
「土木学会栄誉賞」
が贈られました。

 営団地下鉄東西線・門前仲町駅下車、徒歩5分 富岡八幡宮の東側  


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 編集後記
 旧弾正橋(八幡橋)は、東京都江東区の富岡八幡宮のすぐ東側にあります。訪れた日にはちょうど、古道具市が開かれていました。下の写真のように珍しいものも出ていて、ちょっとした博物館ですね(^^)

 和菓子の木型です!中学校の技術科の学習では、「材料と加工技術」
のところで型鍛造の金型っていうたとえで使うというのも名案かなあ〜(^^)
木製レジスターと東芝製扇風機 上州座繰り器など・・・