古建築物の製作実習その3
-選択履修の充実を目指した実践-  
更新日:2005/01/10
 
 昨年一昨年に引き続き、ものづくりのより発展的な学習をねらい、耐用年数の過ぎた廃棄机の天板(厚さ50mm)を使用した建築物の製作実習を行いました。

製作内容・過程

 今年度は、3年生選択技術科の古建築物製作コースを選択した10名で、修学旅行の事前学習で取り上げた東大寺南大門の部分の模型(縮尺1/10)を製作しました。机の天板を手引きや丸のこで切断し、カンナ盤で切削して各パーツに分けました。材料取り後は、履修生徒10人の人海戦術で各パートを担当させ責任を持って取り組ませました。
 今回は、実際の寸法などのデータが十分に入手できなかったので、写真集や実際に撮影した写真を基に角度や構造を班毎に考えさせる課題解決型の授業中心にしました。
 今回も必要とするパーツは多く、斗(ます)は100個、肘木は大小30個、その他のパーツは50個必要になりました。加工の難しい斗の舌(ぜつ)の部分は、12mmのドリルの半径を利用し、肘木の半径部分は自動サンダー、組み合わせ部分は角のみ盤、細部は糸鋸やジグソーなどを使用しました。前回同様、細部の微妙な調整で苦労しました。
 

 寸法通り切断して作ったパーツが合わなかったり、組んでも隙間ができたり傾いたりと製作時間に約30時間近くかけて完成させました。週2時間の選択の時間をフルに使って力作を完成させた生徒たちも感無量であったと思います。来年度も総合学習や修学旅行の事前学習で模型を見せ、世界遺産の構造や力を分散させる工夫や免震構造などの先人の英知を学ぶ効果的な教材として活用したいと思います。
 

 

 

 参考資料として前回の二冊に加えて
 
 「不滅の建築5 東大寺南大門」・毎日新聞社
 「日本美術全集12巻 運慶と快慶」・学習研究社 
 もお勧めします。細部写真が多くとてもわかりやすいです。
 
 もし、質問や実際に製作してみたい場合などは遠慮なくメールを下さい。サンプルも沢山あります。
 
東京都板橋区立赤塚第一中学校 嶋村正人

投稿者:東京都板橋区立赤塚第一中学校 嶋村正人
戻る