今年度も建築模型を製作しましたので送らせていただきます。昨年、メールで問い合わせのあった部分を追加しました。
昨年に引き続き、ものづくりのより発展的な学習をねらい、耐用年数の過ぎた廃棄机の天板(厚さ50mm)を使用した建築物の製作実習を行いました。
製作内容・過程
今年度は、3年生選択技術科の古建築物製作コースを選択した13名で、修学旅行の事前学習で取り上げた奈良興福寺の五重塔の最上部部分の模型(縮尺1/10)を製作しました。また、放課後に活動する本校独自のゼミナール(不定期に行われる講座)では、古建築物製作ゼミナールを開設し、知恩院三門の模型を製作しました。
塔の実寸の資料は、昨年、奈良県立奈良図書館(0742-27-0801)から取り寄せた「薬師寺東塔及び南門修理工事報告書」を参考にしました。(資料の半分までならコピーしてくれます。一枚20円です) その実寸の1/10の大きさに机の天板を手引きや丸のこで切断し、カンナ盤で切削して各パーツに分けました。材料取り後は、履修生徒13人の人海戦術で各パートを担当させ責任を持って取り組ませました。1学期の後半は茹だるような暑さで大汗をかいての作業で大変でした。
今回は2つの模型で、斗(ます)は100個、肘木は大小30個、その他のパーツは50個必要になりました。加工の難しい斗の舌(ぜつ)の部分は、12mmのドリルの半径を利用し、肘木の半径部分は自動サンダー、組み合わせ部分は角のみ盤、細部は糸鋸やジグソーなどを使用しました。そのパーツを専門書や実際に修学旅行で撮影した 写真を参考に組み立てていきました。
今回も細部の微妙な調整で苦労しました。寸法通り切断して作ったパーツが合わなかったり、組んでも隙間ができたり傾いたりと製作時間に約30時間近くかけて完成させ「第4回全国中学生創造ものづくり教育フェア」に出品しました。
それぞれクリックすると大きな写真が見れます。
週2時間の選択の時間をフルに使って力作を完成させた生徒たちも感無量であったと思います。来年度も総合学習や修学旅行の事前学習で模型を見せ、世界遺産の構造や力を分散させる工夫や免震構造などの先人の英知を学ぶ効果的な教材として活用したいと思います。
参考資料として前回の三冊に加えて 「古建築辞典」武井豊治著・理工学 「建築構造のしくみ」川口衛 他著・彰国社 もお勧めします。力の流れや組み物の図や写真が多くとてもわかりやすいです。
また、京都を訪ねる機会がありましたら、是非、法観寺を訪ねて八坂の塔へ入ってみて下さい。京都で唯一、2層部分まで入ることができ、内部の構造を見学できます。心礎は創建当初の飛鳥時代のそのままであると云われ、心柱が各層と接触していない様子などがよくわかります。1人400円です。
もし、質問や実際に製作してみたい場合などは遠慮なくメールを下さい。サンプルも沢山あります。
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