技術のわくわく探検記(2000.4.3.)

(旧)前橋市浄水構場事務所
(前橋市水道資料館)
1929(昭和4)年竣工
鉄筋コンクリート造二階建、瓦葺、建築面積183平方メートル
設計:野田俊彦
施工:佐藤栄太郎
建設経費5250円(当時)
群馬県前橋市敷島町216
文化庁登録有形文化財・平成8年12月20日登録
(登録番号 第10−0003号)

前橋市水道資料館として水道事業に関する展示があります。

前橋市浄水場配水塔
1929(昭和4)年竣工
鉄骨造、高さ37.4m、容量892.5立方メートル
施工:長岡組(上部構造)
建設経費183685円(当時)
群馬県前橋市敷島町216
文化庁登録有形文化財・平成8年12月20日登録
(登録番号 第10−0004号)
1985(昭和60)年・近代水道百選(厚生省水道環境部)

 前橋市の水道水は、1927(昭和2)年1月1日に、利根川の河床であった現在地(前橋市敷島町)で地下水を利用しようと計画して工事を始めました。この工事の建設顧問は中島鋭治で、利根川からの取水堰管ろ過池、地下の浄水池深井戸配水池配水塔やそれらを結ぶ導水管(取水施設から「ろ過池」などを結ぶ)、送水管(浄水施設から配水施設を結ぶ)、配水管(配水施設から各家庭などを結ぶ)など水道システムを設計しました。
 地下に設けられた敷島浄水場浄水池は、塩素で消毒したろ過池からの水をいったん貯めておき、必要に応じて配水塔へ送り出す施設で、29m×36m×深さ3.6m、貯水量3740トン(小学校のプールは約300トン)の規模です。
 約2年に及ぶ工事を経て、1929(昭和4)年3月21日に給水が開始されました。給水開始までにかかった金額は261万円(当時)で、前橋市の当時の予算3年分に相当します。この敷島浄水場は8万人(当時の人口は66000人)が1人1日20リットルの水を使用するとして設計され、日量16000立方メートルの給水ができる施設となりました。
 その後、1956(昭和31)年から5次にわたって拡張工事が施され、現在では日量約60000立方メートル(125000人分に相当)の給水が可能です。
 この配水塔は、「水道タンク」とも呼ばれてシンボルとして親しまれています。


 文化財保護法第56条の第1項・・・・重要文化財以外の有形文化財で建造物であるもののうち、その文化財としての価値にかんがみ保存及び活用のための措置が必要とされているものを文化財登録原簿に登録することができる。


「技術のわくわく探検記」メニューへ  「技術科・・・・新着情報・更新記録」へ
ホームページへ