技術のわくわく探検記 2000.6.13.(6.21更新)
旧・時報鐘楼
起工 1915(大正4)年
竣工 1916(大正5)年
設計 佐藤嘉市
施工 佐藤建設
鉄筋コンクリート造煉瓦張り建造物
伊勢崎市指定重要文化財
群馬県伊勢崎市曲輪町28番
所有者:伊勢崎佐波広域市町村圏整備組合
この旧・時報鐘楼は、横浜で貿易商(ハッカの輸出)を営んでいた伊勢崎出身の小林桂助(こばやしけいすけ)によって1915(大正4)年に起工、翌1916(大正5)年に竣工(大正天皇の即位を記念して伊勢崎に寄贈)しました。楼上部には江戸時代から伊勢崎の人々に、なじみの深い音色で親しまれていた中台寺の釣鐘を移転して、大正から昭和初期にかけて時を告げていました。昭和初期には朝6時と夕方6時の2回に鐘が鳴っていたということです。 戦時中の金属供出によって釣鐘は失われ、また塔屋部分も1945(昭和20)年8月14日の米軍機による伊勢崎市の爆撃により焼失してしまいました。戦後になって楼上部分は寄棟造りになっていましたが、1990年に伊勢崎市制施行50周年を記念して、創建当時のドーム状の屋根に復元されました。(1993年伊勢崎市重要文化財指定)明治・大正時代の洋風建築様式を色濃くとどめた鉄筋コンクリート煉瓦張りの建造物は群馬県内でも数少ない貴重な近代化遺産です。