技術のわくわく探検記

旧・竜閑橋
日本最初の鉄筋コンクリート・トラス橋
1926(大正15)年製
東京都千代田区内神田3−1
見学日:2000.2.13./2.26.

 日本で最初の鉄筋コンクリート・トラス橋であった1926(大正15)年製の「竜閑橋」が、架かっていた堀の埋め立てにより不要となって、桁と親柱が児童公園に保存展示したあったということです。
 この下水道工事現場以外に、児童公園であった場所らしきものはありませんでした。保存展示してあるものは見ることができませんでした。「旧・竜閑橋」の保存展示に関する情報をご存じの方がおりましたら、情報をお寄せください。

交差点名に残る「竜閑橋」 保存してあった児童公園?は現在下水道工事中
下水道工事現場には、明治時代の「閑橋」についてのパネルが掲示されています。

 もともと、神田の堀に架けられていた龍閑橋は、堀を埋め立てることで必要なくなりました。同じ頃、この付近に開かれた新しい川に、不要となった橋をそのまま架けたのが、現在の竜閑橋の地名の由来となっています。まだ呼び名が無かったこの新しい川に、橋の名称であった龍閑橋にちなんで「龍閑川」と名付けました。現在は無くなってしまった「龍閑川」は、かつては神田と日本橋の両区を分割していました。
 「龍閑」という名称は、龍閑川の西端にあった町に、旧幕府坊主の「井上龍閑(りゅうかん)」という人の家があったことに由来しています。
 インターネットで検索してみたところ「竜閑橋」は夏目漱石の「草枕」にも登場してきますね(^^)

 「もとから髪結床(かみゆいどこ)の親方かね」 「親方じゃねえ、職人さ。え? 所かね。所は神田松永町(かんだまつながちょう)でさあ。なあに猫の額(ひたい)見たような小さな汚ねえ町でさあ。旦那なんか知らねえはずさ。あすこに竜閑橋(りゅうかんばし)てえ橋がありましょう。え? そいつも知らねえかね。竜閑橋ゃ、名代(なだい)な橋だがね」 「おい、もう少し、石鹸(しゃぼん)を塗(つ)けてくれないか、痛くって、いけない」
                                           (夏目漱石「草枕」より)


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