産業技術遺産探訪 2000.4.18./2003.5.20./2004.1.12./2004.5.3./2004.5.24./2005.4.10./2018.8.10/

琵琶湖疏水

水路閣

1887(明治20)年起工
1890(明治23)年3月竣工
延長93.17メートル、幅4.06メートル、水路幅2.42メートル
煉瓦造アーチ水路橋

京都市左京区南禅寺福地町   

YouTube→ 水路閣(琵琶湖疏水)

 滋賀県の琵琶湖と京都市を結ぶ琵琶湖疏水事業は、京都府知事・北垣国道の発意によって、田辺朔郎(工学博士)を工事担当者とし、1885(明治18)年に起工され、1890(明治23)年に竣工しました。
 水路閣は、この疏水事業の一環として施工されたもので、延長93.17メートル、幅4.06メートル、水路幅2.42メートル、煉瓦造、アーチ構造の優れたデザインを持った水路橋です。
 また、ここから西500メートルにある「インクライン」は、高低差のある蹴上の舟だまりと南禅寺の舟だまりを結ぶ傾斜地に上下2本のレールを敷設して、艇架台によって舟を運ぶ施設で、当時の舟運による交通事情がよくうかがえる産業技術遺産です。
 いずれも、西欧近代技術が導入されて間もない当時、日本人のみの手で設計、施工されたもので、土木技術史上、極めて貴重なものであり、1983(昭和58)年7月1日に「疏水運河のうち水路閣及びインクライン」として京都市指定史跡に指定されました。
 また、1996(平成8)年6月には、この水路閣、インクラインに加え、第1疎水の第1・第2・第3隧道の各出入口、第1竪坑、第2竪坑、1903(明治36)年に架設された日本初の鉄筋コンクリート橋(日ノ岡第11号橋)、1904(明治37)年架設の山ノ谷橋などが日本を代表する近代化遺産として国の史跡に指定されています。


水路閣の水路橋上を流れる琵琶湖疏水


琵琶湖疎水


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