日立製作所
5馬力誘導電動機
5HP Induction Motor
1910(明治43)年製造

茨城県指定有形文化財
2002(平成14)年1月25日指定

 日立製作所の創業当時に製作された5馬力誘導電動機(モーター)で、日立製作所の第1号製品です。
 5-HP Motor Built during Establishment of Hitachi,Ltd. The first product manufactured by HITACHI.


 1910(明治43)年に日立製作所によって製作された「5馬力誘導電動機(5HP Induction Motor)」で、日立製作所の第1号製品であるとともに、国産初の電動機(モーター)です。
 当時、日本の工業技術は欧米の水準と比べてかなり遅れおり、電機機器のほとんどは輸入や外国人技術者による指導に頼っていました。このため、国産の電動機の開発と製作は、かなり難事業となりましたが、日立製作所の創業者である小平浪平らは、「日立鉱山」の修理工場という本来の業務のかたわら、窓にガラスさえもない小屋の中の工場で、製品第1号となる鉱山用モーター3台を完成させました。設計者の高尾直三郎が自らコイルを巻いたモーターは、鉱山という過酷な使用環境の中でも優れた性能を発揮させることができ、その評判に自信をつけた小平浪平らは、ただちに200馬力モーターの開発と製作に着手しました。


小平記念館に展示されている「5馬力誘導電動機」
1910(明治43)年製造

日立製作所の第1号製品
国産初の電動機(モーター)

日立製作所の原点といえる「5馬力誘導電動機」
そしてモートルはまわった・・・
And the Motor Started Turning...
 丸太小屋の中でうなりを上げてまわり始めたわずか5馬力のモートル。
 しかし、そこには無限のエネルギーが秘められていました。
 自らのちからと可能性を信じる創業時の技術者たちの熱い思い。
 それは未来をめざす原動力として、わたしたちの中にも確かに受け継がれています。
(小平記念館・展示解説より)

 この「5馬力誘導電動機」は3台製作され、「小平記念館」、「創業小屋」(動態保存)、「日立市郷土博物館」にそれぞれ展示されています。




「5馬力誘導電動機(5HP Induction Motor)」図面
設計・製図 高尾直三郎
茨城県指定有形文化財 2002(平成14)年1月25日指定


「創業小屋」に動態保存展示されている「5馬力誘導電動機」

出力 5馬力
電圧 440V

 日立製作所の創業当時に製作され、その後50年以上にわたって日立製作所の電線工場で稼働していたものを、創業者の1人である高尾直三郎によって1964(昭和39)年、当時工場で使用されていたボール盤とともに「日立製作所・山手工場」に保存していました。1997(平成9)年「創業小屋」の改装とともに日立製作所山手工場より移設したものです。現在は、ボール盤を駆動させるための電動機(モーター)として動態保存されています。


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