中学校 技術科用金工工具 旋盤の友 北洋工業株式会社 1963年 B5判15ページ

 当時の中学校技術科の学習内容について垣間見ることができる資料です。旋盤による加工については、今日の教科書よりはるかに充実した内容であることがわかります。加工(機械工作)や機械の学習のなかで「旋盤」がしっかり位置づけられていたこともわかります。

 北洋工業株式会社の1963年版カタログと思われます。旋盤による加工のためのオプションや工具類が冊子前半に掲載されており、後半部分は旋削に関する工作法がまとめられています。最終ページには、「金属加工」(東京都教育委員会抜粋)という中学校技術科の学習指導事項・指導展開・留意点・機械工具と掛図の案内が掲載されており、当時の中学校技術科の学習内容の実態についてある程度知ることができます。

掲載されている内容

切削工具
    ストレートシャンクドリル  センタドリル  完成バイト  附刃バイト  タップ  ダイス  ハンドソー(金切鋸刃)  鋸弦 鉄工用鑢    

測定工具
    ダイヤルゲージ  マグネットベース  外測マイクロメータ  並型ノギス  直尺(鋼製)  尺立ホルダー  センターゲージ  鋼製精密台付スコヤー  鉄製水平器  鋳鉄製箱型定盤  鋳鉄製ヤゲン台  トースカン  鉄製コンパス  

工作機械作業工具
    ドリルチャック用アーバ  レースドッグ(ケレー)  貫通木柄螺子回し(ドライバー)  リード型横万力  タガネ  センターポンチ  ローレットホルダ2個付  ローレット駒  片手ハンマ  ケガキ針  ドリルチャック  レースセンタ  両口スパナ  六角棒スパナ  3爪スクロールチャック  角ボックススパナ  油差  ぶんちん材料   

工作法

丸棒の削り方(端面削り、ねじ切り、ローレット仕上げ、突切り)・・・・(図解)

1.旋盤

2.主軸台

3.往復台・心押台

4.チャック仕事

5.センタ仕事

6.端面削り

金属加工の指導事項・指導展開

                       金属加工              東京都教育委員会抜すい
指導事項 指導展開 指導上の留意点 機械工具
旋盤事前研究 ◇旋盤加工について調べさせ簡単に説明する。
◇旋盤の機能、構造、各部の名称、動力の伝達方法、変速装置、主要部の調整法、操作法を示範説明し、使用前、中、後に起こりやすい事故に留意するよう強調し記録させる。
◇センタ仕事、チャック仕事、センタドリル、バイトの種類、バイトの構造、切削度等を調べさせ、原理等を説明する。
◇測定器具の取り扱いを示範説明する。
◇切削油の種類と働きを調べさせ説明する。
◇旋盤の種類と作業の種類
◇バイトの取付方
◇刃先と材質の関連
◇送り速度と仕上げ面
◇測定方法
旋盤
バイト
センタドリル
外パス
ノギス
鋼尺
切削油
旋盤加工準備 ◇弓のこの刃の構造や切削の原理を調べさせ、丸棒の切断を示範説明し、加工しやすい長さに切断させる。 ◇弓のこの持ち方、姿勢、力の入れ方 弓のこ
万力
鋼尺
端面削り丸削り心出し ◇材料やバイトのとりつけ方、端面と丸削りの方法、バイトの送り速度、切り込みの度合い、突切りバイトの利用方法、測定の方法等を示範説明する。
◇端面削りと丸削りをさせる。
◇軸の心出しの方法を示範説明し、心出しをさせる。
◇バイトの送り速度と切り込み
◇突切バイトの利用
◇丸棒の心出し作業
旋盤
パス
ノギス
鋼尺
切削油
Vブロック
トースカン

※表中の表記を一部訂正してあります。


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