おもしろ分解博物館 2001.8.5.
おもしろ分解博物館〜機械のなかみは?
日本ビクター(JVC) VTRヘッド、各種モーター
究極の薄型モーターをみつけよう!
モーターの学習に使うために、さまざまなタイプのモーターの実物を揃えようとして分解した日本ビクター(JVC)製のビデオデッキです。少し前にモーターを探す目的で分解したため、うっかり機種名がわからなくなってしまいました。しかし、ディスク形プリントモーターが使われていることから、比較的新しい機種であると思います。このビデオデッキには5個のモーターが使われていました。
究極の薄型モーター・・・ディスク形プリントモーター
ビデオテープの駆動用には、究極の薄型モーターである「ディスク形プリントモーター」が使われていました。
下の写真のように、ローターコイルを円板状に配置してモーターの形状を極端に薄くすることを可能としてあります。このローターコイルは銅板をフォトエッチングによって加工してあります。(このほかにフレキシブルプリント板を使ったシートコイル技術や、プレスによる打ち抜き加工でつくる場合もあります。)こうして加工したものを回転に必要なトルクになるように数枚貼り合わせてモーターのローターコイルをつくります。こうした加工方法であるために、複雑なコイルを均一で大量に生産することができます。
ビデオテープの駆動用にこのディスク形プリントモータが使われているのは、薄型のモーターであるというだけでなく、無鉄芯構造で慣性が少ないことやコイルの巻溝が無いため、回転やトルクのむらが少ないモーターであることも重要な要素となっています。そのためパーソナルコンピュータのハードディスクドライブ、CD−ROMドライブなどのスピンドルモーターに用いられています。
ビデオヘッドと駆動用モーター
下の2つはベルト車やウォームギアを使っています。