ロボットを作ろうとするとき、人間の歩行や手の動きを再現してみたいと思うことはよくあります。本校でもこれまでにまざまな形でこれらの課題にチャレンジしてきました。
今年は、5本の指の動きをできるだけリアルに再現する「ロボッ手」を作ったので報告します。
すべての関節には小型のモータが入っており、それぞれ適当なギア比で減速し、それぞれの関節が動くようになっています。
それぞれのモータはシーケンサーからの信号により、与えられた順番で動きます。例えば、5本指を順番に動かして手をひらいたり閉じたりすることなど。
これまでは、ワイヤーで引き上げるものなどを作っていましたが、今回はじめてすべての関節にモータを使用するという方法をとりました。モータは軸径が1mmのものであり、市販のギヤボックスなどが使用できないため、プラ板を切り出し、適当な歯車をかみあわせています。各指の骨格もすべてプラ板を切り出して作りました。それぞれの部品が小さいことと、指が動いときのたわみなどで、すべてのギアを正しく動かすまでにかなりの時間がかかってしまいました。
一応、希望通りの動きをさせることには成功しましたが、よりリアルな動きをさせるためには、モータの角度による制御を行ったほうがよいかもしれません。
4人のグループで完成まで半年。夏休みもほとんど製作に明け暮れました。よく頑張ったと思います。
これからチャレンジする人たちの参考に少しでもなれば嬉しいです。
東京工業大学工学部附属工業高等学校 門田和雄