更新日 2000/09/04
同じ茨城のつくば市立並木中学校の吉田吉見先生に教わりながら、技術室のイスを製作してみました。
↑吉田先生のオリジナル |
↑パイン材で製作 |
↑米マツ材で製作 |
技術室にあるイス、どの学校にもおそらく40脚以上あると思います。しかし、私の学校の木工室、金工室のイスはとても傷みがひどく、木工室で授業のときは、金工室のイスを移動し、金工室で授業のときは、木工室のイスを移動して使い回さなくてはなりません。なかには、真ん中からばっくり割れてしまうイスもでてきて、もはや緊急事態ということでどうしようと思っていたところに、並木会(県南の技術科の先生の自主的な集まり)で吉田先生にこのイスを見せてもらって、惚れ込んでしまいました。
イスは傷みがひどくなってくると、まずほぞが抜けてきます。長年生徒達が斜め座りをしたりしたためなんですが、この部分を解決する工夫がこのイスには施されています。
上の2枚の写真をみていただければわかると思いますが、ほぞの部分が同じ高さにつくられています。そして板が釘とボンドで貼り付けられています。これによって、ほぞが抜けることを防止する効果が生まれます。加えて、生徒が作業台に乗せるとじゃまになるノートや教科書などを一時おいておくことができます。(授業の最後にイスをあげるので、忘れ物もない)
材料も種類を極力おさえてあります。写真のように角材で3種類の部品を、コンパネで3種類の部品をつくるだけです。私が作ったところ、塗装なしで組み立てまで3〜4時間でできました。
上部のほぞ穴とほぞです。割れないようにするためにこうしてあります。加工しやすいように1/4を残すようにしています。
下部のほぞ穴とほぞです。できるだけ単純にということで、約半分を残すようにしてあります。
あとは、ボンドをつけながら組み上げていきます。最後にコンパネを釘とボンドで打ち付けて完成です。
作ってみて実感です。すごく丈夫です。これなら10年以上もちます。コストもすごく安い、パイン材とコンパネでつくれば700円〜800円、米マツ材とコンパネでつくって1200円〜1300円でした。どちらもホームセンターで少量買った場合の実際の価格です。大量に仕入れればもっと安くなりますよきっと。パイン材は軽いですが耐久性がないと思うので、米マツなどある程度丈夫な木材でつくることをお勧めします。
次の課題は、これをいかに生徒に製作させるかです。今年は選択技術の生徒のみなさんにつくってもらうつもりです。選択技術の生徒達には、「カンナを研いで、使いこなし、技術室のイスをつくってもらう。」といって集まってもらいました。また生徒作品ができたら報告したいと思います。
これは、JW_CADのWindows版で描いた。このイスの図面です。このデータを参考にすれば、すぐにつくることができるというわけです。下記をクリックすれば図面のデータをダウンロードできるようにしておきます。また、JW_CADはフリーソフトなのでこれも下記サイトから入手することが可能です。
今年の夏休み、JW_CADをいろいろいじってみました。数日格闘が必要でしたが、一度使い方をおぼえるとかなり便利な道具になります。今は3次元CADがはやりですが、2次元のCADもなかなかのものです。寸法がすぱっと出るのは便利です。
茨城県北相馬郡藤代町立藤代中学校 川俣 純